丁世均(チョン・セギュン)産業資源部長官は昨日、大韓商工会議所の朝食会懇談会で「韓国経済の一番大きな問題は、輸出と内需企業、製造業とサービス業、大企業と中小企業間の両極化」と述べた。働き口、所得、地域の両極化も同じだと述べた。韓国社会が全ての分野にわたって「うまくいく少数」と「立ち遅れる多数」に分かれているという主張だ。この場には大企業と中小企業から約300人の企業人が参加した。丁長官は企業人に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の今年のアジェンダを教育したわけだ。
「両極化の教育」を受けた企業人が丁長官に投げかけた質問は、両極化とは程遠かった。ある企業人は、「韓国と中国の技術格差が狭まっている」と話し、中国の追撃に対する対策を聞いた。「為替レートが急落しているのに、政府の対策は微温的だ」という指摘も出た。雇用許可制の導入に伴う産業研修生制度の廃止を懸念する声もあった。ウォン—ドル相場の下落、高賃金、中国の低価攻勢の前で大企業・中小企業の区分なく危機意識を持っていた。
全国経済人連合会が最近600大輸出企業を対象と調査したら、59%は「為替レートが1ドル当たり970ウォン前後の場合」価格競争力が顕著に落ちていることを明らかにした。2日、ウォン—ドル相場は、969.10ウォンで引けた。1日から始まった鉄道ストも輸出業者らに打撃を与える見通しだ。米国、欧州連合(EU)、日本などは韓国の主力輸出品に対するけん制を強化している。情報通信(IT)や家電製品が主なターゲットだ。1、2月10億3800万ドルに止まった貿易収支黒字はさらに減る懸念が高い。原油高をはじめ、エネルギー問題も踏み込んだ短・中・長期対策を必要とする。世界は今、産業戦争中であり、貿易戦争中であり、エネルギー戦争を繰り広げている。
産業、交易、エネルギー問題を総括する丁長官は、企業人の前で両極化の講義をしている場合ではない。両極化の遊説は丁長官でなくても、大統領府や与党ヨルリン・ウリ党が溢れるようにやっている。丁長官は所管業務の輸出入をはじめ、貿易黒字の管理、企業のしやすい環境作り、エネルギー需給の安定化など、仕事をするにも寝る時間が足りないではないか。