韓国鉄道公社の労組が1日、不法ストに突入して4日目でストを撤回し、「鉄道大乱」は一段落した。
鉄道公社の労組は4日午後、1万6897人全員が事業場に復帰し、韓国高速鉄道(KTX)と首都圏の地下鉄は5日正常化した。一般列車と貨物列車の運行は6日前後に正常化する見通しだ。
今回の鉄道ストを受け、1〜4日間に約129億ウォン、5日の一日間で20億ウォンなど、計150億ウォンの損失が発生したものと鉄道公社は推定している。
労使争点に対する最終的な結論は15日以降、中央労働委員会の職権仲裁を通じて下される。
李哲(イ・チョル)鉄道公社社長は4日の記者会見で「今回のストを契機に法と原則が守られる新しい労使関係を構築すべきだ。労組員に対する懲戒の度合いは列車の正常化以降、公社規定に沿って決めるつもりだ」と述べた。
しかし「ストにより国民の信頼を失った労使とも敗北者だ」と触れた李社長の言葉のように、今回の鉄道ストは政府と鉄道公社、労組いずれもに大きな課題を残した。
▲厳正な対処で不法スト収拾〓政府が鉄道公社労組の不法ストを原則に沿って厳しく対応するという方針を明らかにしてから、鉄道公社と警察は労組に対して強い態度を示した。鉄道公社は職場離脱者2244人を職位解除しており、不法スト参加者に対する内部懲戒および個人的な損害賠償まで請求すると労組に迫った。
警察は公権力を投入し「散開闘争(小規模の人員に分けて闘争するやり方)」に乗り出した労組員らを連行した。全国13ヶ所で鉄道公社の労組員411人を連行し、10人は業務妨害の容疑で在宅起訴し、残る401人は訓戒放免措置した。警察はまだ逮捕されていない労組の指導部26人を検挙するため、住居地と縁故地を中心に追跡している。
結局4日、スト参加者の持ち場復帰が50%を超えたことから、統制力を失った労組は白旗投降した。
一方、ソウルと釜山(プサン)のKTXの女性乗務員350人は江原道原州市(カンウォンド・ウォンジュシ)にあるリゾート施設で正規職への転換を要求し、ストを続けており、KTXの特室サービスなどに一部支障が出るものと予想される。
▲市民の支持ない不法スト失敗〓鉄道公社の労組がストを4日で撤回したのは、市民からの支持が得られなかったことによるところが大きい。鉄道運行が中断されれば、国民の足が奪われるということを承知の上で、労組がストを強行したからだ。また、鉄道公社の労組が主張する解雇者復職とKTX女性乗務員の正規職転換、鉄道の公共性強化などは、労働者の福祉とは関わらないものだという指摘だ。
ある労組員は「一般列車にも10年以上非正規職で働いている女性乗務員たちが多いが、わずか1、2年にしかならないKTX女性乗務員のことを、私たちがなぜ構わなければならないのか」と不満気に語った。
公社労組は、鉄道庁が公社化される直前である04年12月には賃上げと関連したストを行っていない。しかし、先月全国民主労働組合総連盟が「非正規職法案成立」を受け、ゼネストを決めた後、鉄道公社もストを決めたことから、政治的な動きではないかと批判されている。
▲根本的なスト対策必要〓鉄道公社は今回のストと関連して、職位解除した労組員の個別の状況を調べ、懲戒委員会で懲戒の程度を決める方針だ。ストの主導者は重い懲戒処分を避けられないが、大量解雇はもう一つの問題をもたらしかねないので慎重な決め方をするというのが公社の立場だ。
ところで、労組がすでにストを予告していたにもかかわらず、鉄道公社側は「鉄道大乱」になるまでこれといった対策を打ち出せずにいたのは問題点として指摘されている。
とくに、公社労組がストに踏み切るまぎわまで、公社側は「政府が鉄道負債解決に積極的に取り組んでいるのだから、まさか労組が水を差すようなことはしないだろう」という甘い見通しを示していた。
これから、ストで職位解除された労組員の懲戒程度と李社長が触れた毒素条項の見直しが進んだ場合、労使間の対立が再び激化する恐れがある。
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