▲汗の種類と体の臭い〓汗腺には、純粋に汗を出すエクリン(eccrine)腺と、たんぱく質や脂肪などを排出するアポクリン(apocrine)腺の二つがある。エクリン腺が体全体に等しく分布しているのに対し、アポクリンはわきの下、外耳、へそ、乳首、生殖器などにある。アポクリン腺は牛乳色であり、粘度が高い。同汗は1時間以内で細菌により分解し、脂肪酸とアンモニアになり、臭い腋臭を起こす。白い衣服を黄色くしたりもする。反面、エクリン腺から分泌する汗は、無色、無臭であり、99%が水分だ。これらの汗が体の細菌と反応し、多様な臭いを出すわけだ。
よく西洋人に見られる「バター臭い」臭いやインド・東南アジア住民の鼻をつくような刺激的な臭いは、食べ物に含まれている成分が呼吸や汗を通じて排出するため出る。韓国人からするといわれるニンニクの臭いも、キムチを食べた直後でなくても、普段からキムチ成分が私たちの体からにじみ出てくるために臭うわけだ。インドや東南アジア人の変わった臭いは、その地域の害虫が嫌う臭いだ。
一方、女性は月経の際に体の臭いが強くなる。これは月経2週間前にテストステロン(testosterone)というホルモン数値がアップし、汗穴の皮脂が増加し、鼻の感覚受容体が敏感になるためだ。
▲頭の臭い〓頭から臭いがするのは、皮脂の分泌が増加するからだ。頭から汗がたくさん出る人であるほど皮脂の分泌量が多い。とくに、分泌した皮脂に汗とかび菌が混じると、鼻をつくようなきつい臭いがする。
その時の汗腺がエクリン腺だ。脂漏性皮膚炎が発生した場合によくみられる。頭皮の臭いをなくす方法は、薬用シャンプで洗浄するのが効果的だ。病院では臭いがひどい場合、ステロイドを含んだ溶液や抗眞菌剤成分を治療に使う。
▲腋臭〓アポクリン腺から分泌される汗を細菌が脂肪酸とアンモニアに分解し、臭いが出る。特にひどい腋臭症は、満10歳以降のホルモンの影響で、汗腺器官が急に大きくなって発生する。腋臭症は、ホルモンの機能が低下する老人には発生しない。
臭いがきつくない場合は、一時的にシャワーを浴びたり、脱香剤を使ったりするが、根本的な治療は手術だ。
三星(サムスン)ソウル病院の整形外科のオ・カプソン教授は、「最近は、超音波、小林絶縁針、脂肪吸入術、レーザーなど、わき部位切開を最少化して、汗腺を除去する手法が多様に出ているが、再発率が手術に比べて高いことが短所だ」と説明した。
▲生殖器の臭い〓小便からは臭いがほとんどしない。もし腐敗臭のようなきつい臭いがしたなら、ひどい膀胱炎や尿路感染を疑わなければならない。
尿路汗腺の一般的な原因は大腸菌。黄色い膿汁が混じり、膿特有の臭いがする。まれには緑色の膿ができることもある。その場合は、ぶどうの香りと似たようなやや甘みのある臭いがする。
女性の正常なワギナの分泌物は、透明な色や白い色だ。その際にする臭いは、ワギナの上皮から落ちた上皮細胞がワギナの分泌物の乳酸菌と反応して発生する臭いできつくない。
もし、ワギナの分泌物に泡があり、黄色であり、魚の腐ったような臭いがするなら、性病である可能性もある。さらに、カンディダ(candida)というかび菌に感染すると、白いチーズ模様とともにチーズの臭いを起こす。
梨花(イファ)女子大付属・木洞(モクトン)病院泌尿器科のユン・ハナ教授は「たまに、若い女性のワギナの中に大量の悪臭性の分泌物を見かける。タンポン(tampon)の除去を忘れたり、子宮内の避妊装置を長年放置して感染が発生したケースだ」と説明した。
一方、男性の精液でも、色が黄ばんでいたり、赤色が混じっているかと思えば、胸がむかつくような臭いがするときは、精嚢に炎症が生じた場合が多い。
▲足の臭い〓足の臭いの主犯は、エクリン腺から出た汗が細菌によって分解してできる異戊酸血症(lsovaleric acidemia)だ。しかし、きつい足の臭いには、ほかの原因がある。よく見られるのが、足にかび菌が増殖して発生した水虫だ。
また、汗の分泌量が正常に比べて多くなった場合にもきつい臭いがする。甲状腺機能が狂ったり、神経系統の疾患があったりするケースだ。とりわけ、精神的な緊張やストレス、不安、運動などが足の臭いを悪化させる。緊張を緩和させたり、汗の分泌を減らしたりするための薬物療法、足裏に微細な電流を流す電気療法が使用される。
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