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[オピニオン]偽博士

Posted March. 20, 2006 03:46,   

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「外国の博士号を取得した人たちに対する国内の申告登録要件が強化される。これを受け、偽博士号取得者の不正就職行為にブレーキがかけられる見通しだ」。これは今日新しく出たニュースではない。すでに2003年7月に、今は国家清廉委員会に変わった腐敗防止委員会が発表した政策だ。海外博士号の所持者10人に3人が偽物だという調査もその際出てきた。同年末、教育人的資源部が確定した海外博士号申告制度がきちんと執行していたならば、このように見せ掛けの海外博士が幅を利かすことはなかっただろう。

◆偽海外音楽博士が大挙摘発された。国内の音楽学校でロシアの有名音楽大の博士号を買った「偽物」のうちには、現職教授も2人含まれている。ロシア文字を読むこともできず、博士号の内容さえ理解できないというコメディーだった。2年前は、ホテルの「ベルマン」出身の米国人偽博士がソウルで英文学教授を勤めていて発覚した。いずれも偽博士根絶策が打ち出された後に発生したものだ。形式だけに過ぎなかった政府の対策もコメディーだった。

◆政府が「強化」したという海外博士申告制度の窓口は、韓国学術振興財団だ。同財団が発給する証書には、「申告受付証が博士号の確認証ではない」というコメディーのような但し書きがついている。ただ、申告を受けただけで学位の真偽は知らないという「責任逃れ」というほかない。博士号を発給した機関がどんな機関であるか、偽造ではないのかを確認していない。だとすれば、3年前政府は一体何を根拠に「偽造海外博士の不正就職行為にブレーキをかける」と大きなことを言ったのか。

◆これから出る補完策も日の目を見るより明らかだ。教育部は早くも「財団内に研究倫理部署を新設し、偽造学位と論文盗用などをあぶりだすシステムを検討している」と発表した。現在、申告業務担当職員が1人であるため、専従職員と組織予算を大幅に増やすという主張も出てくるだろう。「偽海外博士を根絶するための汎国民委員会」が立ち上がらないのが不思議なくらいだ。選挙出馬を見すえた長官・次官が「短期速成課程の偽博士号取得者」と皮肉る声もある。政府が「偽博士」を育てる状況で、誰が誰をあぶりだすというのか。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com