昨年12月、小学校をやめて自宅で勉強する金ソンヒョン君(9・京畿道坡州市)は、数日前、中古の冷蔵庫をもらった。電子製品が好きな息子のために、冷蔵庫を分解して組み立ててみるように親が買ってあげたもの。
「何日かかかって分解して組み立ててみました。そして、冷蔵庫に関する本を読んだら、どのような原理で冷却作用が起こるかがぼんやりと分かりました」
ソンヒョン君は学校の授業など、ぎっしり詰まった日課に追われていたが、今は「ホームスクーリング」を通じて素質を育てている。母親の李ユンジョンさん(36)は「ホームスクーリングをやって、子供の特性を知るようになったのが大きな収穫だ」と話した。李さんは下の子(5歳)も家で教えることに決めた。
▲一律的な教育は嫌〓子供を正規の学校に送らず、親が直接教えるホームスクリーングを選ぶ家庭が増えている。教育人的資源部は現在、約1000世帯がホームスクーリングをしているものと推算している。毎年、3〜5万人の小中高校生が学校をやめているため、ホームスクーリングはさらに増える見通しだ。
金ミョンフ君(9・仁川延寿区)は1年6ヵ月前、小学校をやめてホームスクーリングを始めた。授業の時間割はなく、科学と数学の書籍を毎日2、3冊ずつ読む。時間に余裕ができて好きな本を数千冊読んだ。この頃は水泳とピアノに夢中になっている。毎週土曜日には仁荷(インハ)大学英才教育院で数学を学ぶ。
▲なぜホームスクーリングを選ぶのか〓ホームスクーリングを選択する理由は様々だが、共通して学校教育に対する不信が挙げられる。子供は美術や音楽をやりたがるのに、学校で決められた時間割どおりに過ごすと、素質を開発する上で限界があるという主張だ。
一部の親は教師の思慮深くない言行、学生に対する不当で不公正な待遇のために、ホームスクーリングを選ぶ。
韓国教育開発院の李恵英(イ・ヘヨン)主任研究委員は「ホームスクーリングも一つの教育方式だから、多様性を認める政策が必要だ。政府がホームスクーリングを認めて、教育施設を提供する方策を検討すべきだ」と述べた。
▲問題はないか〓ホームスクーリングをしてから1年6ヵ月になった主婦のソン・ヨンヒさん(43)は「教材や教授法など情報を得るのが難しい」と話した。また、李ミギョンさん(41)は「全人教育のためには多様な分野の教育内容に接するようにしなければならないが、親が全ての内容を教えるには限界がある」と話した。
ホームスクーリングする子どもを偏った見方でとらえる認識が問題だという指摘もある。仁荷大学の孫敏豪(ソン・ミンホ)教育学科教授は「ホームスクーリングをする家庭が少数だと言っても、彼らの選択を保護する政策が必要だ」と述べた。
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