1991年3月26日、大邱(テグ)近郊の農村に住む少年5人が山椒魚を捕りに行くと言って家を出た後、失踪した。マスコミが山椒魚を蛙と間違えて報道したため、「蛙少年」と名付けられた。それから11年6ヵ月後に村から2.5キロぐらい離れた臥龍(ワリョン)山のふもとで少年たちの遺骨が発見された。遺骨を鑑定した慶北(キョンブク)大学法医学チームは3人の酢骸骨から鈍器による損傷の跡を見つけて、「殺害された」と結論づけた。
◆事件発生2年になる年に開かれたセミナーで、テレビドラマ「刑事班長」のモデルだったチェ・ジュンナクさんは「親たちには申し訳ない話だが、5人の子どもは臥龍山で命を失って、密葬された可能性が高い」との見解を述べた。チェさんの推理が正確だったわけだ。事件発生初期、少年の「家出」と見ていた警察は、失踪から7ヵ月が経った後、軍人らと一緒に臥龍山一帯を捜索したが、落ち葉が積もっていたため、密葬のこん跡を見つけるのが難しかった。
◆珍しい点は蛙少年の遺骨の近くから10あまりの弾頭が発見されたことだ。近くには軍部隊の射撃場があった。遺骨発見後、少年たちが山椒魚を捕りに行ったのではなく、弾頭を拾いに行ったという話が出た。前にも何度か弾頭を拾いに行っていたということだった。だとすると「山椒魚少年」ではなく「弾頭少年」になるわけだ。射撃練習をしていた軍人らが射撃場にいきなり現れた子供を死なせたとか傷つけたという情報も入ったが、月日が経ちすぎて確認されなかった。
◆捜査関係者らは少年の遺体を初期に発見していたならば、犯人を捕まえられた可能性が高かったと残念がる。11年6ヵ月が過ぎた遺骨では犯行に使われた凶器を識別することさえ難しかったという。反人倫的な犯罪に対しては公訴時効を延長すべきだという議論があったが、法が改定されても公訴時効が満了した事件は当てはまらない。しかし、民事上不法行為の消滅時効は「加害者を知った日から3年以内」であるためまだ終わったわけではない。子供を胸に葬った家族と幼い魂を癒すために、犯人を捕まえる上で時効というのはあり得ない。
黄鎬沢(ファン・ホテク)論説委員hthwang@donga.com