韓国はすでに多民族社会に突入した。昨年結婚した農漁村の男性8027人のうち36%が外国人花嫁を迎えた。1998年以前は、国際結婚は結婚全体の1〜3%にとどまったが、04年から10%台に増え、急増している。田舍の小学生にも混血児が増え、ある地域では新入生の半分に迫る。
少子化と3K業種の忌避などによる一部業種の労働職不足は、人口構成の多民族化を加速させるだろう。昨年末までに登録された外国人は50万人を上回る。さらに不法滞在者やその子どもたちを合わせれば、70万人にのぼるものと推計される。外国人人口が年平均18%ずつ増えているというから、「100万他人種」時代も時間の問題である。
にもかかわらず、外国人や混血児に対する偏見と差別は消えていない。昨日、韓国を訪れた「韓国の血が流れる」ハインス・ウォードのサクセス・ストーリーには喝采を送りながらも、国内の「人種鎖国主義」は頑強だ。第3国で成功した韓国系を仰ぎ見ながら、韓国に嫁に来たアジアの女性を追いつめ、その子どもの「コシアン(コリア+アジア)混血児」を差別することは、大きな矛盾である。
考えてみれば、韓国もインドやアラブ、中国、日本の血が混ざった混血の国である。「単一民族」という「虚構の神話」に縛られてはならない。人種と文化は融合するほかなく、融合すればするほど強くなる「雑種の強さ」の原理を、子どもの頃から自然に学ばなければならない。そうしてこそ、純血主義を追う盲目的閉鎖性から脱し、米国のような多民族国家の包容性と開放性を育てることができる。それが国の発展はもとより、人類社会に対する貢献にも役立つ。
政府、地方自治体、市民社会団体は、貧困と疾病にさらされた外国人居住者を保護し、その混血児たちが差別されず、堂々と教育を受けながら成長するよう支援しなければならない。皮膚の色や人種が違うという理由で差別されないように救済する制度づくりも必要だ。国民が「内なる世界化」に失敗しては、グローバル時代に成功する国をつくることは難しい。