韓国女性研究者たちの論文が、世界的な学術誌の特集と巻頭を飾った。
生命科学分野の国際ジャーナル『セル・メタボリズム』は、米テキサス大学医学部の兪英在(ユ・ヨンジェ・41)研究員と米コロンビア大学医学部の韓誠雅(ハン・ソンア・37)研究員の論文をそれぞれ4月号の特集論文と巻頭論文に選定したと5日、明らかにした。
兪研究員は線虫の消化器官が空腹を感じるメカニズムを究明した。普通、食べ物を食べればアセチルコリンという神経伝達物質が分泌され、消化器官の収縮弛緩運動を起こすとされている。
兪研究員は、消化器官が空の時もアセチルコリンが分泌され、消化器官を刺激し、空腹感を与えるという事実を突き止めた。
兪研究員は、「今回の研究結果は、お腹がすけば食べ物を求める行動を神経生理学的に究明したものだ」とし、「アセチルコリンの調節を通じて食欲を効果的に抑制すれば、肥満治療に役立つだろう」と話した。
韓研究員は糖尿病患者の動脈硬化が悪化する原因を明らかにした。
動脈硬化は、糖尿病の合併症の一つとして糖尿病患者の主要な死亡原因とされている。
韓研究員は、糖尿病にかかったマウスに治療剤のインシュリンを多く投与すればするほど、大食細胞(マクロファージ・細菌を捕食する免疫細胞)が早く死ぬという事実を突き止めた。
韓研究員は、「死んだ大食細胞が血管にたまれば、動脈硬化を悪化させる」とし、「人体に耐性ができるほどインシュリンを多く投与すれば、致命的な合併症を誘発する恐れがある」と話した。
両研究員とも、学籍番号が80年代で、一足遅れて研究を始め、生物学者の夫が心強い後援者の役割を果たしたという共通点がある。
兪研究員は、学番が84で、延世(ヨンセ)大学生物学科で学部と大学院を終えた。卒業後、約10年間、学業から離れていたが、夫の金廷鎬(キム・ジョンホ)仁荷(インハ)大学生命科学科教授の励ましで、99年に米国に留学し、04年、テキサス大学医学部で博士学位を取得した。夫の金教授は、今回の研究論文の共同著者でもある。
慶熙(キョンヒ)大学87学番の韓研究員の元々の専攻は、糖尿病や動脈硬化とはまったく関係のない農学分野。94年に米国に渡った後、専攻を遺伝工学に変え、現在、コロンビア大学医学部で研究助教授として活動している。
夫の陳翼晟(チン・イクソン)博士も、コロンビア大学医学部で学習と記憶を専攻する神経学者だ。
兪研究員は、中学2年生の娘(15)、韓研究員は1歳の息子を育てる母親だ。
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