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白血病のテヒョン君、月と星を眺める

Posted April. 18, 2006 03:01,   

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髪の毛とまゆ毛がすっかり抜け落ち、顔と首が赤黒くなった姿から、7歳児の李テヒョン君が体験してきた苦痛が思いやられた。

テヒョン君の病名は「塩素型単数性骨髄白血病」。白血病の中でも非常に珍しい疾患だ。

母親のソン・クミョン氏(38、京畿道儀旺市サム洞)は「昨年、抗がん剤治療と2回の骨髓移植手術を受けた当時、テヒョンは呼吸さえちゃんとできなかった」と語った。

テヒョン君家族は久しぶりに楽しい話に花を咲かせた。12日に家族は、1年4ヵ月ぶりに長距離の外出をした。天体望遠鏡をほしがるテヒョン君の願いをかなえるためだった。ほとんど家と病院に閉じ込められていたテヒョン君は「星の国」に憧れてきた。

父親のキヨン氏(38)は「昨年の春には、新芽の季節になったことにも、花が咲いたことさえ気づかずにいた」と弾んだ声で語り、病弱な息子を肩車に乗せた。

この日の家族の外出は、難病児童の願いごとをかなえてくれる韓国メーク・ア・ウィッシュ(Make A Wish)財団のサポートで実現した。同財団は、テヒョン君家族を京畿道楊平郡(キョンギド・ヤンピョングン)青少年修練院の天文台に招待した。

天文台に入る瞬間、テヒョン君は目を丸くした。修練院講堂のドアが開くと、数十個のロウソクのあかりが舞台まで家族を案内した。

照明がつき、手品師が舞台に上がった。テヒョン君の家族のためだけの公演が繰り広げられた。この日、テヒョン君の家族は世界の中心にいた。

五色のハンカチのマジックが終わるころ、大きなハンカチが消えると、舞台には天体望遠鏡が現れた。テヒョン君が舞台にとび上がり、望遠鏡をのぞいて見た。

「何も見えませんけど」

「ふたを閉めているからよ」

手品師の話に笑いが広がった。テヒョン君の両親も、この日ばかりは思う存分笑った。この日のイベントを準備した財団側・ボランティアチーム長のソ・ボムソク氏(35)は「テヒョン君が天体望遠鏡を使って、星座だけでなく、希望も見つけられたらなと思う」と話した。



egija@donga.com