創業の資本金100万ウォン未満だが、1ヵ月の平均売上げは500万ウォン。
ペーパー・フランチャイズ・カンパニーの投資家募集広告ではない。
昨年からインターネットのオンライン・マーケット・プレイスのオークションで、オンライン流通事業を始めた、身体障害者の創業社長たちの平均実績だ。
右腕、左足がほとんど使えない2級障害者の金グァンヒョン氏(47)は、機能性運動シューズ専門店「ワンステップ」という個人ショップを運営し、月1000万ウォン近い売上げを上げている。
インターネット・マーケットの特性上、価格競争が熾烈なために安値で売るのが普通だが、金氏は定価固守の戦略を取っている。だが、1ヵ月で100足以上も売れている。初めは、彼に品物も卸そうとしなかったシューズ会社が、今は「最高のディーラー」だといって自社ブランド名の入った名刺を作ってあげたりもした。
彼の成功の秘訣は、他のオンラインショップでは見られない詳細な着用法や利用法などが説明されたアニメーション動画だ。消費者は彼の製品説明を信じて、注文が殺到した。腕が不自由で時間がかかる不便さは、1日3時間睡眠という強行軍で乗り越えた。
また、聴覚障害2級のコ・グァンチェ氏(24)は、オンラインのキッチン家電専門店「ウィットライフ」を運営する新世代の社長だ。働き口がなくて困っていた彼は、偶然にキッチン用品関連の仕事をしていた父親の品物を見て、事業アイディアを得た。
ブランドではないが、使いやすくて価格も安い商品が多いという点に着眼した。しかし、これを知らせることも、聞かれたことに答えることもできなかった。そのもどかしさをコ氏は、「見ること」で解決した。製品の機能や色合い、デザインを細かく写真を撮り、インターネットに載せたのだ。
その反響は爆発的だった。インターネットのオークションだけで、1ヵ月に500万ウォン以上の売上げをあげる「パワー・セラー」だ。
軍の将校として服務していた時にひざのじん帯が断裂して除隊した李ヒョグォン(33)氏は、他の人よりも事情も複雑で、失意も大きかった。当初は、身体の不便さに耐えることも受け入れられなかった。
保険会社や貿易会社にしばらくの間勤めた後、株式投資を始めたが、信用不良者という「レッテル」まで貼られたこともある。
失敗の原因を考えた彼は、「もっと親切な投資説明があったら」と残念に思い、新しい事業アイディアを考えついた。状況と条件がそれぞれ異なる人々への詳細な情報が、知りたい気持ちを解消させ、信頼形成に大きく役立つと考えたのだ。
李氏は、創業資金がほとんどかからないインターネット創業を始めた。衣類・キッチン用品オンライン専門マーケットの「アリババ・ショッピング・モール」を運営する彼は、今は月700万ウォン以上の所得を上げている。
韓国障害人雇用促進公団とオークションは、障害者たちがオンライン・デジタル実業家として成功できるように、無料で教育する障害者創業スクール「私の左足」を運営している。
「私の左足」の修了生でもある彼らは、「自分が感じる不便さから、他人にもっと配慮しようとする心が出てきて、消費者との信頼を築く秘訣となった。偏見と我執のような思考の不便さも、他人を配慮する心で乗り越えていく社会になればいい」と話した。
jaykim@donga.com