20日午後9時49分頃、ソウル西大門区弘恩洞(ソデムング・ホグンドン)グランドヒルトンソウルホテルのコンベンションセンター前から発進しようとしていた乗用車が、2台の車に道を塞がれた。
2台の車から降りたのは、ソウル地方警察庁捜査2係所属の警官4、5人。乗用車を捜査した結果、トランクからリンゴ箱2箱が発見された。箱にはそれぞれ2億ウォンずつ、計4億ウォンが入っていた。
取調べを受けた乗用車の持ち主は、趙在煥(チョ・ジェファン、57)民主党事務総長だった。趙事務総長の表情は、当惑で歪んでいた。
趙事務総長は同日午後8時20分頃にホテル到着後、地下1階の食堂で崔洛道(チェ・ナクト、68)元議員と面会した。同元議員は5・31地方選挙で民主党の公認を受け、全羅北道(チョルラプクド)金堤(キムジェ)市の市長選への出馬に備えていた。
崔元議員は会食後の午後9時半頃、趙事務総長から乗用車のキーを受け取り、同郷の後輩である申(シン、51)氏に手渡した。同氏は趙事務総長の乗用車に「金箱」を積んだ。
崔元議員は17日、趙事務総長に電話をかけ、夕食の約束をした。これより前の15日、同元議員は申氏に現金4億ウォンを用意するよう要請していた。申氏は、自らが運営する掃除サービス業社の職員らに対し、友人などから借りた小切手を全て1万ウォン券に換えてくるよう指示した。
二人の容疑者が上京する頃、同事件に関する具体的な諜報が警察にもたらされた。警察は17人をホテル近くに配置した。
「するべきことをした」崔元議員は、趙事務総長に車のキーを返した後、申氏所有の乗用車ではない車に乗り換えて午後9時40分頃、ホテルを後にした。
趙事務総長は、崔元議員が去ってから10分ほど後、ホテルから出てきたところを現行犯逮捕された。同事務総長は警察の取調べに対し、「トランクに贈り物を積みたいというので車のキーを渡しただけだ。何が入っているかも知らない」と容疑を否認しているという。
警察は趙事務総長に対し、政治資金法違反容疑で逮捕状を請求する予定だ。また崔元議員については、出国禁止処分とした。崔元議員は事件後、行方がまだ分かっていない。
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