国民(ククミン)銀行が、外換(ウェファン)銀行に対する捜査を開始し、その状況を見極めてから売却代金を支給することで、ロンスターと合意した。
金基洪(キム・ギホン)国民銀行首席副頭取は24日、ソウル市永登浦区汝矣島洞(ヨンドゥンポグ・ヨウィドドン)の本店で記者たちと会見し、「監査院と検察の外換銀行調査を見極めたうえ、代金を支払うという新しい契約条件を追加することで、ロンスターと合意した」と発表した。
企業買収合併(M&A)は、当事者たちが契約を終えて金融機関と公正取引委員会の承認を得た後、代金を支払うことで取引が完了する。国民銀行は、これに「監査院と検察の捜査終結」という条件を追加した。
国民銀行とロンスターはまた、先週終わった優先交渉期間を5月12日まで3週間の追加で、延長することにした。
●世論に押された合意
双方の合意は、外換銀行売却と関連した疑惑が監査院と検察の捜査で一つずつ明らかになり、「安値売却」に対する否定的世論が高まるという負担を感じたためだと分析される。
国民銀行は、外換銀行を早期に買収し合併を進めたがっているが、ロンスターの肩を持つように見られかねないので、世論の批判を受けるのではないかと憂慮している。このため、その間の交渉の主導権を国民銀行が握っていたという点を強調してきた。
金副頭取は同日、「重要なのは、国民の心配をかけないように国民銀行の要求をロンスターがとやかく言わずに受入れたということだ」と、繰り返し強調した。
●売却時点は検察捜査の結果次第
国民銀行が代金支給を、監査院と検察の捜査終結以後に延期したため、売却契約の完了する時点が、捜査によって年末まで先延ばしされる可能性もある。 そうなってくれば、ロンスターには不利な状況が生じかねない。
4月の臨時国会で成立すると見られている「国際租税調整法」改正案によってベルギーが租税回避地域に指定されれば、7月1日からロンスターは、投資差益に対する源泉徴収の対象になるためだ。外換銀行の筆頭株主の「LSF−KEBホールディングス」は、ロンスターがベルギーで立てた法人だ。
また10月末には、ロンスターが持っていたコールオプション行使権利も満了する。ロンスターは輸出入銀行(6.9%)とコメルツバング(6.48%)が保有した持ち分を、決まった価格で買入れられる権利(コールオプション)を持っているが、行使期間は10月末で終了する。
コールオプション行使でロンスターが得られる差益は国民銀行の買収提案価格の、1株当たり1万5400ウォンを基準にした際に、6199億ウォンに達する。10月末以後、国民銀行が契約を破棄すれば、ロンスターはこの差益を得られなくなる。
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