アラブ首長国連邦(UAE)の一員である土侯国ドバイは、地域は中東でもニューヨークやラスベガスを移しておいたような国だ。イスラム国家だが、外国人はホテルのレストランでお酒を飲むことができる。米大衆文化のシンボルである「ハードロックカフェ」も進出している。世界唯一の7星級ホテルの「バージュ・アル・アラブ」をはじめ、高級ホテルと豪華なショッピングセンター、テーマパークが軒を並べている。猛烈な開発で、ドバイのスカイラインは、日一日と変わっていく。人口120万の小さな国に、全世界のタワークレーンの20%が集中しているという話もある。
◆ドバイを金融・貿易・観光の中心地にしたのは、今年1月に国王になったシェイク・モハメドの実用主義的な開放政策だ。彼は皇太子時代の1990年末、「ビジョン2010」と「ビジョン2020」というマスタープランを練る上で主導的な役割をし、それをベースに経済構造の多角化に力を注いだ。石油が枯渇した後でもドバイが生き残るための、国家生存戦略だ。彼はその過程で、経済を馬、政治を馬車に喩えて、「馬が馬車を引くべきで、その逆はあり得ない」という語録を生んだ。
◆ドバイの開発ブームに乗って、韓国企業の進出も活発だ。三星(サムスン)建設は、08年末の完工を目指して、世界で最高階ビルであるバードドバイビル(162階、706メートル)を建設している。来月15、16日には韓国の家電会社、通信事業者、建設会社など約40社がドバイ側と共同で、「06ドバイテレメティクスおよびホームネットワークロードショー」を開催する。
◆最近は、韓国の中年婦人がドバイの住宅に関心を示しているという。政府が海外不動産への投資を許容してから現れた現象だ。1970、80年代、ソウル江南(カンナム)など開発地域をイナゴの群れのように転々と移りながら投機に乗り出した「福婦人」の海外進出だ。かつて中東特需の時、オイルダラーが国内に流れ込んで不動産投機に熱中したこともあって、「福婦人」と中東の「縁」が、いまさらながらに目を引く。しかもグローバル時代ではないか。ところで、アラブ語でドバイは「イナゴ」という意味だと言う。
韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com