外交の主体は国家だ。しかし、民間の学者たちが学術交流を通じて、相手の政策に対する理解を高める行為も、最近になって「第2の外交(Track Two・トラック2外交)」という側面で注目を集めている。
1日と2日、米ワシントンで開かれた第1回ソウル・ワシントンフォーラムは、新しい試みとなる「トラック2外交」の試験場だ。同フォーラムを主導した学者たちが、従来の韓米学術外交を率いてきた人物と、性向の面で大きく差別化されるためだ。
同フォーラムは、世宗(セジョン)研究所とブルッキングス研究所が、韓国国際交流財団の支援を受け、毎年1回、ソウルとワシントンで交互に開催されることになる。
林東源(イム・ドンウォン)世宗財団理事長が会長、白鶴淳(ペク・ハクスン)世宗研究所研究室長が事務総長を務め、梁性迵(ヤン・ソンチョル)元駐米大使、文正仁(ムン・ジョンイン)国際安保大使、朴健栄(パク・コンヨン)カトリック大学教授などが参加した。韓国内の「太陽政策支持学者群」が網羅されたわけだ。
白室長は「1998年にウィリアム・ペリー元米国防長官が出した報告書(ペリー・プロセス)を見て、このような学術会議の必要性を感じた」と話した。ペリー元長官がソウルで会った人々が大半が英語のうまい保守性向の学者であるのを見て、韓国政府の対応論理を米国側に説明する窓口が必要だという点を実感したということだ。
米国側からは、マイケル・グリーン元ホワイトハウス・アジア担当先任補佐官、ジョン・ティラリー元在韓米軍司令官などの保守人士や、シカゴ大学のブルース・カミングス教授、リオン・シガール米社会科学研究協議会研究委員など、進歩性向の学者が参加した。
クリストファー・ヒル、ジェイムス・ケリーなど、6者協議の米国側首席代表を務めた国務次官補が、昼食会の演説をした。来年からは、韓国側の参加者も保守と進歩のバランスを維持するというのが白室長の計画だ。
これまでワシントンでは、ヘリテージ財団、米国企業研究所(AEI)、戦略国際問題研究所(CSIS)、ブルッキングス研究所などの主流のシンクタンクが、自主的に韓半島関連セミナーを開いてきた。しかし、韓国政府の対北朝鮮包容政策を支持する学者の参加は、相対的に不振だった。
米議会の韓半島関連聴聞会に出席する証人も、主に保守性向の人士だった。ワシントン消息筋は、「シンクタンクや議会の保守的性向のためと言うよりも、韓国の重量級学者のうち、参加型政府の対北朝鮮政策を説明する人士が多くないために生じた現象だ」と述べた。
参加型政府と韓国の進歩学者たちは、このように保守談論が支配する現象のため、ワシントンで参加型政府の対北朝鮮政策に対して、否定的な認識が広がっていると判断している。昨年11月、世宗研究所と米ジョージ・タウン大学が共同主催した学術行事も、このような脈絡で企画されたものだ。
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