北朝鮮産の偽造日本たばこが、韓国や台湾に運び込まれているという事実が、日本の海上保安庁の外国船舶海上検問で確認されたと、東京新聞が14日付で報じた。
日本の海上保安庁は、北朝鮮産の偽造たばこが対日密輸を目的にしたのではないため、押収しなかったが、外国の関係当局と情報を交換したという。
北朝鮮から出港した船舶に船積みされた偽造たばこは、「マイルドセブン」と「セブンスター」の日本製2種をはじめ、米国製の「マールボロー」や英国製などの数十種。これらの偽造たばこは、包装が違うだけで、すべて同じ成分で作られている。
米国は最近、偽造たばこについて、「北朝鮮が最も多い収益をあげている不法行為」と指摘している。日本の海上保安庁も、北朝鮮が麻薬や覚せい剤の密輸出が難しくなるや、偽造たばこを新たな外貨獲得の手段にしたとみている。
海上保安庁は01年、鹿児島の沖合で、停船命令を無視して逃走する北朝鮮工作船と銃撃戦を行ってからは、覚せい剤などの麻薬摘発に主眼を置いて、自国の排他的経済水域(EEZ)を航海する外国船舶に対して海上検問を実施してきた。
海上保安庁によると、2年前から、北朝鮮を出港したカンボジア、台湾、モンゴル国籍の船舶で、偽造たばこが発見され始めた。
船員の供述や偵察衛星の情報から考えると、たばこの運搬船は、北朝鮮の元山(ウォンサン)や清津(チョンジン)、羅津(ナジン)港で品物を積んで出港した後、台湾や釜山(プサン)沖合の海上で、台湾や韓国マフィアの船舶に移していると推定される。
1隻当たり数十万箱が船積みされたたばこは、本物の60%程度の価格で販売され、材料費を除いた収益は、数千万円にのぼるものと推算される。
同紙は、偽造たばこが日本に搬入されないのは、定価制であるうえ、自動販売機の販売が大半である流通構造上のため、販売が難しいからだと分析した。
日本のたばこ業界によると、「マイルドセブン」シリーズは昨年、台湾で販売量1位、韓国でも販売量5位内に入る人気ブランド。積載量が最も多い偽「マルボーロ」は、02〜05年、米国で1300件が摘発された。
数年前から、中国で偽造たばこの取り締まりが厳しくなるや、中国のたばこ製造機が北朝鮮に流れ、大量生産が始まったものと推定される。
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