今年初め、筆者は盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領とブライアン・マロニー前カナダ首相を比較した文を書いた。保守党出身のマロニーが税金を上げたお陰で、財政が回復したとは見られないので、増税と関連してマロニーを言及しないでほしいという内容だ。国政ブリーフィングはこれを「あまりにも軽いコラム」と批判しており(2月6日)、地方選挙の惨敗後、盧大統領はまた「マロニーの消費税が財政危機を解決した」と述べた。当時、国政ブリーフィングは無理強いと歪曲に満ちていた。
◆「マロニー首相の連邦付加価値税が財政に役に立ったという事実は、後任の自由党が廃止公約を撤回して維持したことだけ見ても分かる」と国政ブリーフィングは主張した。「食事して満腹になり、食べ続けた」というような話だ。カナダ政府の統計によると、付加価値税を取り入れた1991年の政府の借金が、国内総生産(GDP)の48.8%だった。1993年に後任政権が入ってからも景気が振るわず、1997年に64.4%まで増えた。一銭が切実な新任首相が付加価値税を廃止するわけがない。
◆よく考えてみたら、マロニーは悔しい。1984年自由党からGDPの約40%にもなる借金を引き継いだからだ。前任の進歩政権は7の省庁と14の長官職、114の委員会を増やし、政府支出と財政赤字を2倍ずつ拡大させた「大きな政府」だった。盧政権が長官・次官給だけで19人、大統領諮問委員会だけで8個も増やし、金大中(キム・デジュン)前政権の5年より、より多くの借金をして増税論を打ち出すこととはレベルが違う話だ。国政ブリーフィングでは盧政権の高位職と委員会の増設は言及せず、「教員、警察など2万2422人の公務員が増えた」とばかり発表した。
◆2003年、カナダのカルトン大学マイケル・ハート教授は、マロニーが政府の支出縮小、公企業の民営化、産業規制の撤廃など新自由主義的な改革を行ったという文を書いた。クィーンズ大学のジョージ・パーリン教授も、親市場政策及び米国との自由貿易協定(FTA)で経済回生の基礎を固めたと語った。国政ブリーフィングが盧大統領の機嫌を伺い、このような点を漏らしたなら、深刻な問題だ。盧大統領が「公正な情報」を強調しながらも、マロニーを間違って引用する理由が分かるような気がする。
金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com