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[オピニオン]「北東アジアのハーブ」天津

[オピニオン]「北東アジアのハーブ」天津

Posted June. 09, 2006 07:16,   

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中国の天津は、韓国で言えば仁川(インチョン)に当たる。中国の首都である北京と自動車で1時間30分の距離なので、人的・物的交流が多い。08年北京五輪の時は、サッカーなど一部種目の試合がそこで行われる。1858年、英国とフランスの租借地域になって以来、経済産業の基盤が果てしなく拡張し、今も世界各国の投資が後を絶たない。韓国の企業も180社余りが進出している。旧韓末の1882年、興宣(フンソン)大院君(「大院君」は王の実父に与えられる称号)が中国清の軍隊に人質につかまって、3年間流刑生活をしたところも天津だ。

◆中国が天津を、大規模な航空・海運・物流団地と先端製造業基地を中心に北東アジアのハーブに育成する計画だという。中国の国務院は、6日、天津の濱海地域を深川と上海、浦東に続いて、「国家総合改革試験区」に公式指定した。天津港を3倍に拡大して、中国最大規模の総合保税地区に育成し、濱海国際空港も拡充して年間輸送人員を500万人以上へ引き上げるということだ。必要な土地は海を埋め尽くして造成することにした。

◆「北東アジアのハーブ」は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が発足する際掲げた10大国政課題のうち一つだった。盧大統領は「我々の未来は韓半島に閉じ込められてはいられない」とし、韓国を北東アジアの物流・貿易・生産拠点にしようと強調した。北東ア経済中心推進委員会(後で北東ア時代委員会に変わる)も立ち上げた。03年7月、仁川、釜山(プサン)—鎭海(チンヘ)、光陽(クァンヤン)などを経済自由区域に指定したのもその延長線だ。しかし、いつそのような話があったのかというように、今や「北東アジアのハーブ」という言葉は事実上、失踪した状態だ。言葉だけが先走って、実績はない「ロードマップ政府」の限界だ。

◆我々がわき目をそらしている間に、中国が打って出た。さらに大きく浮上している天津は、海の向こうの韓国側の仁川・松島(ソンド)と永宗島(ヨンゾンド)、釜山などの手ごわいライバルになるしかない。深川、浦東、天津を飛び越える差別化・特化した制度の具体化が急がれる。それに向けては、緻密かつ果敢な開放戦略やインセンティブの提供などが伴われなければならないが、塞がれた眼目と政策で可能なのか疑問だ。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com