日本には「天下り人事」という言葉がある。天から降臨する人事という意味だ。最近も防衛施設庁公務員が天下りを快く受け入れる企業に、公共工事を配分した事実が発覚し、批判する世論が広がっている。退職した官僚を起用し1億3000万ウォンの年俸を支給した企業に、70億ウォンの工事を渡す、といった具合だ。現職公務員が天下り受け入れの成績表まで作っておいて、関連企業を監督したもようだ。
◆ここまでくると、日本政府は来年から総合策を導入する方針を決めた。民間の専門家が加わる公益法人が常時監視し、政府と天下り対象企業の間の癒着の有無を確認するという内容だ。果たして効果があるだろうか。日本は「コネ」と呼ばれる人脈や省庁との「パイプ」が重視される社会で、監視がさらに厳しくなるからといって天下りが消えるかどうかは未知数だ。その上、天下りを減らすために、昇進から脱落した公務員を追い出さずにポストを与えることにしたというから、公務員集団としては結果的に得をしたわけだ。
◆天下りのワールドカップがあるとすれば、韓国も強いチームであることに違いない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府に入って、さらに強まり、昨年末まで主要ポストの天下りだけでも282人だという。そのうち、総選挙の落選者、大統領候補時代の特別補佐官、大統領府と与党出身など政治家が134人だ。すまない顔でもしたら、少しは憎らしさも減るだろうに、盧大統領は03年4月「最も適切な人事を行う予定であり、その結果に責任を取る考えだ」と声を高めた。翌年6月「参加政府(現政権のこと)が天下りの鎖を切った」と、当時の(チョン・チャニョン)大統領人事首席秘書官が自慢した。
◆韓国の天下りには、コード型、報恩型、慰労型がある。与党は5月31日に行われた統一地方選で惨敗し、慰められるべき候補を大量に作りだした。大統領府と与党が選挙の衝撃から目覚めたら「任期末期の集中的な天下り作戦」を展開するかもしれないため、警戒警報措置でも取るべきであろうか。政府は「一部公共機関の首長には、経営能力を備えた専門家を任命しなければならない」という内容の法案を作ったが、これまで禁止法がなかったために、あれだけ多くの天下りが横行していたのだろうか。
洪権憙(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com