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[オピニオン]姜三載と金徳龍

Posted June. 20, 2006 03:00,   

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「約束を一番少なくする政治家に投票せよ」。米国の政治家バーナード・バルーク(1870〜1965)のこの言葉は、最も約束を破るのが政治家だという意味だ。実際、政治家の言葉は「約束」ではなく「ゲーム」の場合がほとんどだ。公約や政策はもちろん、引退宣言までそのようなケースが多い。政治的な状況が不利になると、引退を発表して夕立を避けては、ある日、数々の名分を掲げ、再び現れた政治家が一人や二人ではない。

◆姜三載(カン・サムジェ)前議員がこの隊列に仲間入りした。姜氏は、03年9月、旧安全企画部(安企部、現国家情報院)の予算を選挙資金に使ったとする、いわゆる「安風事件」の1審裁判で有罪判決が言い渡され、政界引退を宣言した。そうした彼が7・26再選挙(慶南・馬山市甲)に出馬するとして、野党ハンナラ党に公薦を申請した。最高裁で無罪判決を受けたので、状況が変わったということだ。しかし、この判決は金の出所を安企部の予算と見ることが難しいと判断しただけで、不法政治資金の可能性まで排除したわけではない。「黒い金」と関連がないように振る舞うのは正直ではない。

◆情けないのは金徳龍(キム・ドクリョン)議員も同じだ。金議員は5・31地方選挙の前、奥さんが4億ウォンの公薦献金をもらった事実が明るみに出ると、「党籍、議員職の辞退を含めて、まもなく政治的進退を明らかにする」と言って、事実上、政界引退を示唆した。議員会館の事務室も閉鎖した。しかし、「周囲の人からも止められ、ハンナラ党の大統領選挙での勝利のためにも役割が残っている」と、密やかに政治再開の意思を見せている。

◆2人の振る舞いは、ソウル市長候補の予備選挙に出馬するため、議員職を辞退して白衣従軍を選択した孟亨奎(メン・ヒョンギュ)前議員と対比される。3選のしっかりした地域基盤や政策能力などを挙げて、党内でソウル松坡(ソンパ)甲の再出馬を勧めたが、「約束を守りたい」とし、断った。一度口にした言葉は命をかけてでも守るのが政治家の基本徳目だ。ハンナラ党が姜氏と金氏の問題をどのように解決するか、地方選挙で同党に票を入れたたくさんの国民が注目している。

宋煐宋(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com