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「野球より『学生らしさ』を教えます」

Posted July. 14, 2006 03:01,   

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7日、東大門(トンデムン)球場で行われた、奨忠(チャンチュン)高とユシン高の第60回黄金獅子旗全国高校野球大会決勝戦。

奨忠高エースの李ヨンチャンが6回、ユシン高のチョン・スビンに投げたボールが体に当たってしまった。

斗山(トゥサン)から1次指名を受け、4億5000万ウォンという高額の契約金をもらった李ヨンチャンは3年生の選手。しかし、自身が投げたボールが打者の体に当たると、すぐ丁寧に帽子を脱いだ。それから、1塁へと歩くチョン・スビンに向かって頭を下げた。チョン・スビンは今年入学したばかりの新入生だった。

●チームワークを強調、スター選手に対する妬みもない

プロ球団スカウトたちの間から「あの子はやはり出来ている」という賞賛があふれた。李ヨンチャンは最後までよく投げ、奨忠高は9回さよなら安打で、1963年設立後初優勝を獲得した。

ユ・ヨンジュン(44)奨忠高監督にその話を切り出すと、彼はにっこり笑いながら話した。「『いつも学生らしく行動しなさい。野球より礼儀が先だ』と言い聞かせています。選手たちがもう、そんな基本はちゃんとわきまえているようです」

これがユ監督の指導哲学だ。すべての指導者たちが学生野球を叫ぶが、現実に表れる様子はそうではない。高校選手たちの「格好付け」は昨日今日のことではない。高校野球の人気下落は、学生野球ならではの謙遜と覇気がなくなったためでもある。

ユ監督は、「トレーニングを始める前にいつも強調するのは、愛校心とチームワークです。ヨンチャンが巨額をもらってプロに入団した後にも、誰も妬んだりしません。それだけヨンチャンが同僚や後輩たちによくしています」と述べた。

ユ監督が奨忠高の司令塔に赴任したのは02年秋。直前まで6年間つとめたイス中学で走った多くの選手たちが、ユ監督を信じ奨忠高に付いて来た。利ヨンチャン、李ドゥファン、チョン・ジンホ、金ミョンソンなど今年の優勝の主役たちは皆イス中学時代のユ監督の高弟たち。彼らの中には、いわゆる名門私学から良い条件での誘いがあったにもかかわらず、付いて来た選手もいた。彼らは高校入学初年度に、「私たちが3年生になる時、必ず優勝しよう」と決心し、2年後、これを現実にした。

●施設劣悪でも有望選手たちは自ら訪れる

一時、多くの有望な選手たちが施設や支援の不備を理由に、奨忠高入学を忌避した。しかし、ユ監督の指導スタイルを信じる父兄たちは今や進んで選手たちを奨忠高に行かせている。奨忠高はすでに、来年新入生15名のスカウトを終えた。

ユ監督は、「43年間も成績が出せないでいたにもかからわず、野球部を維持してくれた学校がありがたいです。全国大会2回優勝を契機に、同門会も一つになり、野球部のために動いているようです」と述べ、明るく笑った。



uni@donga.com