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[オピニオン]プーチニズム

Posted July. 15, 2006 06:22,   

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昨日、原油価格が史上最高値を記録した。最も喜ぶ人の中に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がいるに違いない。石油生産量世界2位のロシアの大統領らしく、国民の支持度が原油価格と同伴して上昇し、70%を越した。今日からロシアで行われるG8(先進7カ国+ロシア)首脳会議の参加者の中で、これほどの人気を博している指導者はいない。秘訣は「強い国、強いリーダー」と要約される。

◆ロシアの経済は、00年プーチン大統領の就任以来、年平均6%成長した。賃金が毎年10%ずつアップしているのだから、国民は大統領にお辞儀でもしたい気持ちだろう。もちろん、原油価格の上昇に負うところが多い。しかし、プーチン大統領が成し遂げた「政治的な安定」を抜きにしたら、これほどの高度成長や国民的自負心の回復が実現できなかったかもしれない。今回のG8首脳会議で、北朝鮮のミサイルだのエネルギー安保だの、いくら大きい議題が叫ばれても、ロシア人の耳には聞こえないようだ。ロシア人の主題は一つだ。「見よ。世界の舞台に復帰した偉大なロシアを!」

◆プーチン大統領のカリスマ性を、ニキタ・フルシチョフの曾孫娘のニナ・フルシチェバは「プーチニズム(Putinism)」と言った。スターリン崇拝、共産主義、KGB精神に若干の市場主義を合わせた変種イデオロギーだ。堂々としていたソ連とロシア帝国、スターリンと皇帝が懐かしくなった。ちょっと自由がなかったものの、それは一部個人の問題だった。その時、一挙に混乱を整理して、国民を魅了させた英雄がプーチンだ。

◆結果的にロシアは自由民主主義とさらに遠い国になった。経済はもちろん、議会と司法部、言論まで全部クレムリンの手中に落ちている。腐敗と非効率も深刻だ。オイルマネーばかり信じて、産業競争力を育てない対価もいつかは支払わされるだろう。ともかくプーチンという「怪物」にどのように接すれば良いか、G7の首脳らは悩ましいかもしれない。外交の巨匠「ヘンリー・キッシンジャー」は重々しく言っている。「敵と見なせば間違いだ。『ピーター大帝』のようなロシアパワーが復活した」と。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com