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繰り返される洪水被害…環境問題でダム建設断念したツケ

繰り返される洪水被害…環境問題でダム建設断念したツケ

Posted July. 18, 2006 03:27,   

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京畿道驪州郡(キョンギド・ヨジュグン)住民らは16日午後、洪水警報が発令されたため、近くの学校などに迅速に避難しなければならなった。

忠州(チュンジュ)ダムの貯水率が96%を超え放流量が増えたため、一時、驪州(ヨジュ)大橋の水位が限界水位の10.1mに近い9.59mまで上がり、氾濫の危機が迫っていたためだ。

南漢江(ナムハンガン)にある唯一の多目的ダムである忠州ダム(貯水容量27億5000万トン)は同日午後6時、ダムの最高水位(145m)までわずか90cmを残したところまで水位が上昇した。

水資源専門家らは、2000年6月に中止された忠州ダム上流の寧越(ヨンウォル)ダム(別名東江=トンガン=ダム、貯水容量7億トン)を予定どおり建設していたら、現在のような危機状態は避けることができたと口をそろえている。

政府は、環境団体らの反発を考慮して、00年に寧越ダムの建設計画を白紙に戻した。

●東江、漢灘江流域の氾濫危機

漢陽(ハニャン)大学の鉠容植(チョ・ヨンシク)教授(土木工学)は、「基礎設計まで終わらせた寧越ダムが予定どおり推進されていれば、今頃は完工段階にあったはず。忠州ダムの貯水負担をかなり減らせる寧越ダムは、南漢江の治水に大変役立っただろう」と述べた。

漢灘江(ハンタンガン)も状況は同じだ。漢灘江は16日午後、危険水位の8.5mを超えた8・9mまで水位が上がった。

政府は、同地域に洪水被害が繰り返されることをうけ、1999年に漢灘江ダムの建設計画を発表したが、環境団体や周辺住民らの反対で、ここ7年間足踏み状態だ。現在、国務調整室はダム建設を放棄するかどうかを検討している。

台風3号の影響で、11日に大被害を被った慶尚南道(キョンサンナムド)の南江(ナムガン)周辺も、同様の状態に置かれている。政府は南江ダムの上流に門井(ムンジョン)ダム(慶尚南道咸陽郡)を建設する案を検討したが、住民と環境団体の反対にぶつかり、01年に候補地から外した。

●集中豪雨は増加、ダム建設は減少

地球温暖化などによる異常気象の影響で、集中豪雨の発生頻度は急増している。

気象庁が、全国300ヵ所あまりに設置された降雨観測所の資料を分析した結果、集中豪雨は1939年以前は年平均2.2回だったのが、1940〜1979年=5.3回、1980年以降は8.8回に急増していることがわかった。

その反面、大河川の洪水被害を防止する効果のある貯水容量3億トン以上の大規模の多目的ダムの竣工は01年の錦江(クムガン)の龍潭(ヨンダム)ダム(8億1500万トン)が最後だった。

05年に平和ダム(26億3000トン)が建設されたが、これはあくまでも北朝鮮側の金剛山(クムガンサン)ダム(別名イムナムダム))が崩壊する時に備えたダムで洪水調節機能はない。

今年完成した全羅南道長興郡の長興(チャンフン)ダムは1億9100万トン規模の小さなダムで、現在建設中のファブクダム(慶尚北道軍威郡)、ソンドクダム(慶尚北道青松郡)なども貯水容量2800万〜4900万トンの小規模ダムだ。

建設交通部のウォン・インヒ水資源企画官は、「社会的合意を導き出すのが難しく、01年以降、ダムの規模と数を大幅に減らしている」と語った。

河川管理予算も、04年の1兆1243億ウォンから、06年は9910億ウォンに削減された。1980年以降、韓国の国民総生産(GNP)で河川管理予算が占める割合は平均0.07%、で日本(0.45%)に大きく及ばない水準だ。

●専門家ら「ダム建設の放棄は治水放棄」

環境団体は、洪水被害の原因がダム不足にあるという指摘に反発している。

環境運動連合の金ヘジョン事務局長は、「水害はダム不足によるものではなく、全国各地で行われる乱開発と下水・排水システムに問題があるからだ。ダムが建設されなかったので水害を招いたというのは、責任逃れだ」と話している。

しかし、相当数の水資源専門家は、洪水被害を根本的に予防できる唯一の手段であるダム建設を無条件に避けることには問題があると反論する。

仁荷(インハ)大学の沈名弼(シム・ミョンピル)教授(土木工学)は、「異常気象の影響で洪水による人身、財産上の被害規模が拡大している。社会的な合意に基づき、必ず必要な地域に大規模のダムを建設する問題について積極的に検討しなければならない」と話した。



sanjuck@donga.com abc@donga.com