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[オピニオン]安熙正氏の復権説

Posted July. 27, 2006 03:02,   

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「赦兔は法外の世界から差し込んできて、法の世界の寒い暗黒を眺めることができるようにしてくれる明るい光線であり、奇跡が自然界の法則を破るように、法の世界で起こる法則のない奇跡だ」。法哲学者のグスターヴ・ランバートは、赦免を法の硬直性がもたらしかねない「愛のない正義」を溶かせる一筋の希望と見た。

◆今年も光復節が近づくや、政界関係者らの特別赦免、減刑、復権問題が例外なく取り上げられる。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の最側近である安熙正(アン・ヒジョン)氏の復権問題が特に大きな関心事である。盧大統領の「左の熙正、右の光宰(グァンジェ)」と呼ばれてきた安氏は、大統領とお互いに「影響し合う」人物だ。安氏が不法政治資金収賄罪で1年間服役して、04年末満期出所するや、盧大統領はその翌日、大統領府に呼んで2時間夕食を共にしながら、目頭を潤わした。

◆安氏の復権説は今回が初めてではない。同氏は昨年の光復節直前に4億9000万ウォンの追徴金を完納して、復権に対して強い期待感を示し、今年の3・1節の時も復権を期待した。今年の光復節を控えて、与党ヨルリン・ウリ党のある中堅幹部は、「安さんを今回は必ず(赦免復権に)含ませるべきだ」とし、根回しをしている。赦免復権の対象に野党の元代表級人物も取り上げられていることを見ると、政党間で水面下のコンセンサスがあるように思われる。

◆しかし、ランバートが赦免を「明るい光線」と言ったのは、個人的な愛や政治的な計算の下で赦免権を行使しても良いという意味ではない。国会の同意を取り付けなければならない一般赦免と違って、特別赦免は大統領固有の権限だが、それだけ恣意的に赦免権を乱用すると、法治の根源を損ねる憂慮が大きい。特に、特定人物の被選挙権の回復、政界復帰およびコード人事のための手順の一つとして赦免権を行使すると、司法部の権威と国民の法感情にも傷をつけることになる。しかも政権の道徳性を前面に打ち出して、政経癒着と腐敗政治にピリオドを打つと叫んできた盧武鉉政権ではないか。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com