「10月1日の明け方にソウル行きのチケットをなんとか購入できないでしょうか」
秋夕(チュソク・旧盆)の話ではない。ソウル市の公務員筆記試験のある10月1日に釜山(プサン)発・ソウル行きの高速電鉄(KTX)は午前5時と5時25分など2便とも、1日に予約が始まって1時間で売り切れた。チケットを購入することができなかった500人余りは予約のキャンセル待ちに名前を載せており、韓国鉄道公社側には「ソウル市の公務員試験を受けなければならないのだが、KTXのチケットを購入できないか」という問い合わせの電話が殺到した。
これによって、鉄道公社は10月1日午前5時10分、釜山発・ソウル行きの臨時列車1便を追加で編成することにした。鉄道公社の関係者は「節日を除いて、こんなに早くKTXのチケットが売り切れたことはない」とし、「公務員が希望する職業1位にランキングされたということが実感できる」と話した。
今年に入って、7・9級公務員採用試験の競争率が、中央・地方職を問わず相次いで最高記録を塗り替えている。
先月28日に締め切られた中央選挙管理委員会の9級公務員の公採試験には、100人を選抜するのに8万7857人が願書を出し、競争率が878.6対1を記録した。
地方自治体別に選ぶ7・9級地方公務員採用試験も熱気が熱いのは同じだ。
4日に願書を締め切ったソウル市の場合、史上最大の受験生が殺到した。932人の募集に15万1097人が志願し、平均162対1の競争率を見せた。7月21日に採用試験を終えた釜山市の場合、253人募集に2万3462人が集まり、平均92.7対1の競争率を見せた。
居住地域を問わない志願も増え、公務員の筆記試験がある日には当地域に移動しようとする地方受験者や地方自治体が非常状態になる。
昨年より受験者が3万3000人余り増えたソウル市は、筆記試験場所を用意するのが今から心配だ。ソウル市の関係者は「試験場所が昨年よりも1100ヶ所ほど多く必要になるとみて、各区役所に小中高校の試験場所をもっと増やしてほしいと要請したが、容易ではない」と話す。昨年は80ヶ所の試験場で3684個の教室が使用されており、監督官だけで2万人が選ばれ「修学能力試験を彷彿させる」という話が出た。
2005年から公務員試験に学歴や年齢制限なしに受験が可能になると、「志願者」も増えている。それに加えて、インターネットの志願が活性化し、いざ試験場所に現れない人が多く、志願率は高くなっても受験率は落ちる傾向にある。
ソウル市の公務員筆記試験に応じない割合は、2004年の上・下半期36%から2005年54%に増えた。
また、電算職や看護職と違い、資格制限のない行政職や保健職などに志願者が集中する。今年ソウル市の保健職9級には5人募集に3652人が殺到し、競争率が730.4対1で、すべての職列の中で最も高かった。
中央考試教育院のイム・ビョンウン院長は「『一応合格してみよう』という心理のため、当初5級志願者だった人が7級に、7級は9級に下向志願する傾向が目立つ」とし「競争率に虚数が多いため、受験者たちは必ず試験を受けた方が良い」と助言した。
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