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[社説]現実と空回りする盧大統領の認識

[社説]現実と空回りする盧大統領の認識

Posted September. 01, 2006 07:01,   

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盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は昨日、KBS特別会見で、賭博性ゲーム問題に対し謝罪した。遅ればせながらの感はあるが幸いである。「検察捜査にガイドラインを与えた時代は過ぎた」という大統領の言葉どおり、聖域のない捜査が行なわれることを期待する。しかし、大統領は、戦時作戦統制権、韓米同盟、経済と民生問題についても言及したが、多くの国民の認識とは依然として距離があった。

大統領は、戦時作戦権返還は、盧泰愚(ノ・テウ)、金泳三(キム・ヨンサム)大統領の時から取り上げられ、その時はマスコミも「賞賛」していたが、今になって反対することは理解できないと述べた。また、「国防力こそ主権を守る核心」と述べ、「国軍統帥権者である大統領を外国からスカウトしないのも、そのような理由からだ」という要旨で説明した。しかし、今の安保環境は、あの時代とは違う。

北朝鮮が核とミサイルを開発し、日本の急速な軍事大国化で、韓半島と北東アジアの安定が大きく揺れている。超大国に浮上している中国との覇権競争まで予見されているほどだ。いっぽう韓米関係は、「歴代最悪」という評価が出るほど悪化した。このような状況では、安保に関する路線や政策が再考されなければならないのは当然だ。「過去」を取り出す理由はない。

「韓米同盟に何の問題もない」と言った大統領の診断も理解できない。米国のほとんどすべての関係者や専門家たちが警告しているにもかかわらず、大統領は耳を塞いでいる。米国の代表的な進歩学者であるシカゴ大学のブルース・カミングス教授までも、「韓米同盟が最悪の状態であり、回復が難しい」と言っている。

大統領の状況認識がこのように安易では、来月の韓米首脳会談で、ブッシュ大統領と意味ある論議ができるだろうか。韓国国民はもとより、周辺の国々も会談を見つめている。韓米同盟の堅固さを誇示する転機にならなければならないが、実に心配される。戦時作戦権返還も、日程を定めず、交渉の余地を残さなければならない。

盧大統領は、「民間の生計と経済は少し違う。経済はいいが生計は悪い」と言ったが、経済が良ければ消費が促進され、雇用が生まれ、生計が良くなるものだが、なぜ二つが分離するのか、理解できない。経済だけをみても、世界の経済成長にも及ばない低成長が3年間も続いており、産業生産、消費、景気先行指数など、各種指標もすべて良くないことを政府統計が示している。株価と外貨保有高がいいからと言って経済が良いという大統領の心の中に、果たして庶民があるのだろうか。