▲山裾の随所が建設現場〓1日午前、吉林省白山市撫松県松江河鎮から白頭山(ペクトゥサン)天池の方向に10.6キロ離れた白頭山国際空港の建設現場。白華森が果てしなく広がっている白頭山の裾の工事現場では地ならし作業が真っ最中だ。白頭山保護開発区管理委員会(白頭山管理委)の資料によると、115〜130人が乗るB737小型旅客機が主に離着陸する空港だが、工事現場は端が見えないほど広い。長さと幅がそれぞれ5〜7キロ、2〜3キロはあるようだ。滑走路の長さが2.6キロに設計されて、ジャンボ飛行機も離着陸できる。
工事現場の随所には掘削機やトラック、ブルドーザーが数十台ずつ立っている。建設労働者の中には民間人だけでなく、人民解放軍空軍第8空挺総隊の部隊も混ざっている。工事関係者らと近くの住民は、「有事の際、軍事用に空港を使うだろう」と言っていた。
3億980万人民元(約373億ウォン)が投入されるこの空港は、北京五輪開幕直前の08年8月初めオープンする。年間輸送能力は54万人。中国南方から来る内国人をはじめ、内・外国人観光客の誘致が目的だ。
延辺朝鮮族自治州の安図県二道白河鎮から松江河鎮へ行く道路の中間には、二道白河鎮と和龍市の区間を結ぶ鉄路工事が進められている。約100キロに及ぶこの道路が完成すれば、吉林省の省都の長春から吉林〜延吉〜和龍〜通化につながる中国東北東部鉄道が環状線のようにひとつにつながる。
白頭山の北、西、南3ヵ所の登山路の外郭をつなぐ二道白河〜松江河〜漫江〜白頭山区間の道路は、現在、至る所で拡張包装作業が進められている。主に林道であるここは、まだ非包装区間が半分に上る。
北、西、南3ヵ所の登山路の入り口を結ぶ白頭山環状道路は、現在設計段階。自家用車に乗ってくる観光客のため、長春〜松江河区間など、3つの高速道路路線が追加で建設される。
白頭山環状道路を軸に和平地域は休暇施設、三花地域は健康休養施設、臥龍地域は国際会議施設、池西地域は交通の軸線。望天鵝地域はスキー場に特化して、観光客の満足度を最大限高めるという構想だ。
▲白頭山を「クリーンなグリーンブランドに」〓中国の白頭山活用は単に観光産業にとどまらない。高麗人参、鉱泉水から薬草、止熱、グリーンフードの販売まで全方位的だ。現在開発しようとしているグリーン産業ブランドだけで約20種を数える。そもそも撫松県に多かった高麗人参畑は、現在、安図県まで北側に上がってきた。安図県の松江河鎮〜萬寶鎮に至る丘陵地帯には青いビニールに覆われた高麗人参畑が数え切れないほど多い。
世界市場の57%を占める白頭山産高麗人参は価格が韓国の高麗人参の20%前後に過ぎないが、「クリーン」といった白頭山のイメージが加われば、強力なライバルとして浮上する可能性が高い。
白頭山のミネラルウォーターは、吉林省が意欲的に進めているブランド。吉林省は最近、白頭山のミネラルウォーターを欧州のアルプス産ミネラルウォーター、ロシアのカプカス山脈から出るクリーンウォーターと共に世界3大ミネラルウォーターブランドに育てると宣言した。吉林省はもう白頭山産鉱泉水産業発展推進チームまで立ち上げた状態だ。
▲北朝鮮との協議は皆無に近い〓このように中国は白頭山を大々的に開発していながらも、白頭山の相当部分を占めている北朝鮮とほとんど協議を行っていない。しかし、中国の白頭山ロジェクトには、北朝鮮の協力なしには不可能なことが少なくない。まず、白頭山環状道路は北朝鮮区間を結ばないと完成できない。南側から登る登山路は、頂上に上がっても北朝鮮の地に行かなければ、天池が見えない。結局、北朝鮮の協力なしに白頭山を開発するのは事実上不可能なわけだ。
しかし、中国は単独開発を強行している。北朝鮮を引き入れる場合、白頭山を中国と北朝鮮が一緒に所有すると見られるのが嫌な上、中国が単独で白頭山を世界遺産に登録する上でも妨げになるものと分析しているためと見られる。
しかし、厳に中国と北朝鮮が共同占有している白頭山を中国が単独で世界遺産に登載するのは、国際慣例にもそぐわないだけでなく、絶対容認してはいけないというのが大多数の学者の指摘だ。
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