先月初めに大詰めの段階を迎えたLGカード買収交渉で突然、「MBKパートナーズ」という会社が登場した。同社がハナ金融持株と組んで、LGカード買収に乗り出したからだ。
MBKパートナーズが1兆ウォンの「資金」を保有したことが知れわたり、LGカード買収戦は最後まで混戦が繰り広げられた。
結局、LGカードは7兆2000億ウォンを書き出した新韓(シンハン)金融持柱に売却されたが、新韓持株はそれに相応する対価を払わなければならなかった。当時、金融圏が推定したLGカード予想買収価格は、6兆ウォンを少し超える水準だった。MBKパートナーズが加わったことで、1兆ウォンもさらに上積みしければなかなかったという。
●カーライル・ファンド出身7人で1兆ウォン調達
MBLパートナーズはLGカード買収合併(M&A)以外にも、大宇(デウ)エレクトロニックス、大宇精密、三宝(サンボ)コンピューターなど大型の企業買収戦にすべて飛び込んでいる。
同社は、投資者の資金で運用する私募ファンドだ。もう少し具体的に言えば、不良企業を買収し、構造調整で正常化させた後、高値で売却する「バイ・アウト(Buy Out)」ファンドだ。外換(ウェファン)銀行を買収し、最近、国民(クンミン)銀行に売り返したロンスターや、韓美(ハンミ)銀行を買収し、シティバンクに売却したカーライル・ファンドがバイ・アウト・ファンドに当たる。
MBLパートナーズは昨年9月、設立された。7人の少人数で始まったが、1年で1兆ウォンの投資資金が集まった。同社がM&A市場の仕手として浮び上がったのには、「カーライル出身」という背光が影響を及ぼしたという分析も出ている。
MBKパートナーズの創業者である金ビョンジュ会長は、米カーライル・ファンドのアジア代表を務めていた2000年、韓美銀行買収と再売却作業を主導した。03年、韓美銀行をシティバンクに売った時、145%の受益率を上げて話題になったこともある。
以後、金会長は05年、カーライル・アジアの同僚たちと一緒に、彼の英文名前「マイケル・ビョンジュ金(Michael Byungju Kim)」を取ったMBKパートナーズを設立した。
同社は今年6月、輸入車リース会社のハンミ・キャピタルに続いて今月初め、HK相互貯金銀行を買収した。最近の大宇エレクトロニックス争奪戦では、インド家電業者ビデオコン・コンソーシアムに続き、次順位の交渉者になった。
MBKパートナーズは韓国の他にも、中国の上海と日本の東京にそれぞれ6人の投資人力と事務所を設置し、5000億ウォンずつの資金を運用している。
ユン・ジョンハMBKパートナーズ韓国代表は、「ファンダメンタル(企業価値)の良い会社は業種を問わず注視している。われわれの目標は、韓国の代表私募ファンド」だと述べた。
●運用資金の多くは海外資本
韓国金融圏の一部からは、MBKの急浮上を警戒する声も出ている。
同社の運用資金の相当部分が、シンガポール国営投資会社テマセックとカナダの教職員年金など海外資本であることが明らかになったからだ。
MBKの投資差益は、海外投資者たちにそのまま流れるので、事務室をソウルに構えたといって、それをそのまま韓国会社とみなすことはできないという主張だ。
これに対し、ユン代表は「契約上秘密で維持しなければならないので、投資者の身分を公開はできないが、韓国の有力機関投資家たちも相当金額をわれわれに任せている。韓国投資者たちの海外投資を助ける窓口になるはずだ」と述べた。
sanhkim@donga.com