▲採算性の悪化…輸出するほど損〓慶尚南道金海市進永邑(キョンサンナムド・キムヘシ・チニョンウプ)で印刷機械を製作しているD社は、時限付きの人生を生きている患者のように廃業する日を待っている。製品の生産は6月に中断し、現在は従来販売した製品のアフターサービスだけをしている。
1981年に開業した同社は、03年までも年間売り上げ80億ウォンに純利益5億ウォンを上げるほどしっかりしていた。しかし、04年からは内需市場が低迷したことを受け、危機に直面した。結局、再生の兆しを見えない国内市場を諦めて、日本輸出に頼りながら延命してきたが、今年1月末、1円当たりのウォン相場が850ウォンとウォン高が進むと、決定的な打撃を受けた。利益どころか輸出するほど赤字の幅が拡大した。40人に達した社員はみな離れ離れになって、今は社長と2人の社員だけが会社を守っている。
ウォン高円安が長期化していることを受け、対日輸出依存度の高い中小企業が崩壊している。ウォン高が国内商品の競争力を低下させ、収益性まで弱化させて輸出企業をさらに厳しい局面に追い込んでいる。
▲売り上げ、昨年同期より20〜60%減〓本紙が、昨年まで日本へ輸出したが今年は実績のない会社8ヵ所を韓国貿易協会(貿協)の紹介を受けて取材した結果、D社のほかに、済州島(チェジュド)のヒラメ輸出会社とソウルのコイルメーカーも廃業したことが確認された。
残りの5社のうち取材に応じた4社は、日本への輸出が厳しくなって、売り上げが昨年同期より20〜60%減少したと明らかにした。
貿協は日本へ輸出している数多くの中小輸出会社が深刻な経営難にさらされているものと推定した。貿協の貿易研究所のシン・スングァン研究委員は、「輸出対象の国が多様でない中小企業は、主に内需市場と日本市場に依存している場合が多い」とし、「数年間内需が低迷している状況で、日本への輸出まで途切れ、生死の岐路に立たされる中小企業が続出している」と述べた。
▲歯止めがかからないウォン高円安〓中小の対日輸出企業が特に困難に直面しているのは、ドルなどほかの通貨に比べて円に対するウォン高になかなか歯止めがかからないためだ。1ドル当たりウォンの為替レートは、05年1月3日、1ドル〓1035.6ウォンから21日現在、944.30ウォンと8.8%ぐらい引き下げられたが、同期間のウォン円の為替レートは、100円〓1009.01ウォンから806.30ウォンへ20.1%も下落した。輸出価格が100円なら、手に入るお金が1009ウォンから806ウォンへ減るため、経営が厳しくならざるをえない。
現代(ヒョンデ)経済研究院のピョ・ハンヒョン研究委員は、「日本に比べて韓国の資本収支の黒字規模が過度に大きいため、ウォン円の為替レートがさらに下落した」とし、「為替当局はまず、ウォン円の為替レートが現在の水準からさらに急激に落ちることがないように適正な水準で市場に介入する必要がある」と強調した。
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