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社員のストレス、企業が心理相談に本腰

Posted October. 05, 2006 07:12,   

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#1

仕事をてきぱきとこなすといわれていたA課長(37)は、7月の夏休みを終えて仕事に復帰した後、「スランプ」に陥った。いくら本気で頑張っても能率が上がらず、間違いを頻繁に起こした。自分でも成果が上がらないと思え、気が引けて上司の顔さえまともに見れなくなった。

#2

内気のB係長(31)は、強圧的なC次長が上司に来るやストレスを受け始めた。C次長は一方的に指示するだけで、そのくせことあるたびに「君はなぜそんなに仕事ができないんだ」としかる。B係長は酒でストレスを紛らわし、その過程ですぐに暴力を振るう癖がついた。

最近、A課長とB係長は会社の「心理相談所」で心理治療を受けた後、心の安らぎを取り戻した。彼らの心に共通して宿っていたのは不安だった。A課長は「休暇で休んできたのだから気が緩んだように見えるだろう。下手をするとはみ出されかねない」という不安な思いが強迫観念となった。B係長は「私の声が大きくなれば上司に嫌われるだろう」と自分を抑えていたら、憤りがどんどんエスカレートしてしまった。

原因が似ているだけに会社の心理相談師は、似たような解決策を打ち出した。他人の視線を気にせず、己の信念に従って好き勝手に行動すること。相談師らは、他人の視線を客観的に受け止めるようにする「ロールプレー」まで行った。

●会社が従業員のストレスを管理

従業員の精神健康のため、心理相談を導入する企業が増えている。

三星(サムスン)電子が04年、社内に心理相談所を設置したのを皮切りに、昨年LG電子が、今年はLG−CNSが「心の憩いの場」という名の相談所をオープンした。SKテレコムは昨年から外部の相談所と請負契約を結んでいる。

企業が心理相談所を運営する理由は、目ぼしい人材を選び、彼らが楽しく仕事ができるようにするためだ。過剰なストレスは、組織の雰囲気を沈滞化させ、欠勤や転職増となり、ゆくゆくは生産性の悪化につながるからだ。

●職場の人間関係に関する相談がもっとも多い

心理相談所で取り扱う内容は多岐に渡っているが、最も多いのは職場での人間関係だ。相談申請者の中には暴言を繰り返す上司や自分勝手な部下のため、ノイローゼ気味の人もある。その場合は、相手の心理および性格を理解し、それにあわせて対処する方法を教える。

このごろは「ワークホーリック」による家庭不和と関連した相談も目立つようになった。その中には妻が浮気の事実を打ち明け、突然離婚を要求したと訪ねてきた従業員もいた。相談後、仕事と家庭のバランスの大切さに気づいたこの従業員は「私がいけなかった。妻を説得してみる」と言って帰った。

三星電子半導体工場のように若い生産職従業員の多いところでは、異性関係と関連した相談が比較的多い。

●問題点の解決や「問題職員」の管理に役立つカウンセリングサービス

心理相談は従業員の士気を高めると同時に組織の問題点や「問題職員」をあぶりだす機能もある。

三星電子は、入社1年以内の新入社員による心理相談が多いということから、自由奔放な新世代と組織生活を長年してきた先輩の間に葛藤があることを知った。会社は上司たちが新世代の特徴を理解し、「合理的でソフトな」リーダーシップを身につけるように教育を行った。

LG電子のモバイルコミュニケーション研究所のチョン・ジェヨン相談室長は、「研究員の場合には、内気で分析好きの性格が多い。役員たちに研究員たちとのコミュニケーションの仕方を教育している」と説明した。



mikemoon@donga.com