Go to contents

[社説]「北朝鮮核への無防備」を煽る勢力が戦争を呼ぶ

[社説]「北朝鮮核への無防備」を煽る勢力が戦争を呼ぶ

Posted October. 20, 2006 03:02,   

한국어

安保専門家たちは、国連安全保障理事会の決議による国際社会の制裁にもかかわらず、北朝鮮が核を絶対に放棄しないと見ている。核保有こそ政権維持とともに韓国に対する軍事的優位を確保し、ひいては赤化統一を果たすことができる唯一の道と判断するためだ。しかし韓国政府は、北朝鮮の核保有を過小評価し、安易な対処で一貫している。包容政策で、金正日(キム・ジョンイル)集団の心を取り戻すことができるという主張は、的外れもはなはだしい。

宋旻淳(ソン・ミンスン)大統領府安保政策室長(長官級)は、あるセミナーでの講演で、「米国はいかなる国家よりも多くの戦争した国であり、戦争が起これば、最大の被害者は韓国だ」と述べた。また、「南北交流協力がうまくいけば、米国が北朝鮮を叩くことができるだろうか」とも言った。米国が北朝鮮を叩くことを心配するよりも、北朝鮮が、核で武装して南北間の軍事均衡を壊すことで戦争の誘惑を感じ、常習的に「火の海の脅威」を加えてくることをまず心配すべきだ。宋室長は、「北朝鮮が核を持てば、最大の被害者は韓国だ」と言わなければならない状況だ。

北朝鮮が核を保有する限り、盲目的な平和主義だけでは平和を守ることはできない。平和を守るには、逆説的に戦争を覚悟し、準備しなければならない。これは古今東西、戦史の貴い教訓である。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府初期に大統領国防補佐官だった金熙相(キム・ヒサン)予備役陸軍中将は、「平和を守る基本論理は抑制と均衡だ。仕掛けてくれば破壊するという姿勢とそのような能力を実際に持つ時、相手は仕掛けることができないものだ」と述べた。

1990年代後半に200万人が飢えて死んでも、5億ドルをかけて核開発を続けた北朝鮮が、核を簡単に放棄するはずがない。金正日集団が、「核放棄が生き残る道」であることを実感するように、国際協力を通じた制裁を強化してこそ、北朝鮮の核排除の可能性が生まれる。核の抑止力も戦争する覚悟もなく、北朝鮮の民族愛や善心だけを期待する現政権関係者たちこそ、むしろ戦争を呼ぶ「戦争誘導派」だと言える。

ムチを持つ時にムチを持たない一方的な対北朝鮮包容政策は、北朝鮮の核開発を助ける最も不適切な戦争防止策だ。