●100余年前の舞台VS現代的な解釈
ローマ劇場の「トスカ」は、1900年、作曲家のプッチーニによってローマ劇場で初演された当時の演出技法を見せてくれている。プッチーニの親筆サインになっている舞台、衣装、小品、照明などをそのまま再演したローマ劇場の舞台セットを丸ごと持ち込む計画。オペラの現代的な解釈が流行っている今、オリジナルを見る楽しみが大きいようだ。
昨年、「仮面舞踏会」、「ファウスト」で好評を博した演出家の李ソヨン氏は、ヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」を、彼特有のこぎれいで象徴的な舞台演出でお目見えする。ホワイトの壁に流れる赤い血、約200個の十字架が一気に立ち上がる場面などを通じて、無惨な宗教裁判を再現するなど、現代的なオペラに仕上げる予定だ。
ドイツの演出家ボルプラム・メリング氏が演出する国立オペラ団の「ラ・トラビアータ」は、男女間の愛よりは「社会的な偏見がもたらした残酷な悲劇」に焦点をあわせる。無彩色の空間に置かれた巨大な窓、ブランド品とぼろきれで作った衣装など、ミニマルな舞台が作られている。メリング氏は、「夢幻的な雰囲気の舞台美術を通じて、現実に存在しない夢の世界を表現したいし、これを通じて本当の現実が浮き彫りになるだろう」と話した。
●海外声楽家VS国内スター
「トスカ」には伝説的なバリトン巨匠、レナート・ブルソン氏とソプラノのダニエル・デシ、テナーのファビオ・アルミリアート氏、「ラ・トラビアータ」にはアンジェラ・ゲオルギュー以後、「世界的なバイオレッタ」と評価されているソプラノのステファニア・ボンファデリ氏たちが、初めて韓国公演をするという点で注目される。「ドン・カルロ」にはテナー・金ジェヒョン、バリトン・ソ・ジョンハク、カン・ヒョンギュ氏らが出演する。当初、米メトロポリタンオペラで活動中のテナー・リチャードマジスン氏が金ジェヒョン氏と一緒にドン・カルロ役に扮する予定だったが、北朝鮮の核問題などを理由に出演を諦めた。
●公演案内
▲ソウル芸術の殿堂「ドン・カルロ」〓11月7、8、10、11日7時半、芸術の殿堂オペラ劇場。2万〜12万ウォン。02−580−1300、▲ローマ劇場「トスカ」〓11月9〜13日7時半、世宗(セジョン)文化会館大劇場。5万〜33万ウォン。02−587−1950、▲国立オペラ団「ラ・トラビアータ」〓11月19日4時、20〜23日7時半、ソウル芸術の殿堂オペラ劇場。1万〜15ウォン。1588—7890
raphy@donga.com