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[社説]北に領海まで提供して何も言えない政府

[社説]北に領海まで提供して何も言えない政府

Posted October. 30, 2006 07:03,   

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今年、北朝鮮の船舶が済州(チェジュ)海峡を通過しながら、22回も韓国海警の通信呼び出しに応じていない事実が国政監査の資料を通じて明らかになった。明白な南北海運合意書違反であるにも関わらず、海警は一度も北朝鮮船舶を停船させて臨検を行ったことがないという。また、野党ハンナラ党の宋永仙(ソン・ヨンソン)議員は10日、国政監査で北朝鮮が核実験のための資材、設備、核物質などを済州海峡を通じて運送した可能性を提起した。この1年間、済州海峡を通過した北朝鮮船舶114隻のうち、24隻が北朝鮮の核実験場所から近い金策(キムチク)港に出入りしたというのだ。

北朝鮮船舶は核実験後も済州海峡を数回出入りしたが、政府はその船舶に何が乗せられているか確認したことがない。これは昨年8月から北朝鮮の民間船の通行が許容された済州海峡が北の不法行為の出入り口に悪用される余地が大きい点で深刻な問題だ。

さらに、大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)に参加する問題が懸案になっている状況なので、ともすれば韓米間で新しい葛藤の火種になりかねない。政府はPSIに参加する場合、南北間で軍事的衝突の懸念があり、北朝鮮船舶に対する臨検は南北海運合意書の履行だけでも十分だとして参加を躊躇している。しかし、政府が韓国の海峡を通行する北朝鮮船舶に対して手を拱いているのに、米国など国際社会が果たして勧告のPSI不参の理由を納得するだろうか。

北朝鮮に韓国の海を通行できるように許可しているのなら、監視だけでも徹底して行わなければならない。そうでなくても韓国の海軍力は東西の北方境界線(NLL)および一部沿岸の防御に集中しているため、南方海域で商船に見せかけた北朝鮮のスパイ船や偵察船、潜水艦などの取り締まりは厳しいのが現状だ。北朝鮮船舶が勝手に通行できるように放っておけば、さらにトラブルが大きくなる恐れも高い。

国際法も軍艦か有害な行動をする可能性のある船舶に対しては、無害通航権を認めない。北朝鮮が韓国の領海を利用して大量破壊兵器を運搬するようなことがないように、北朝鮮船舶に対する監視・臨検を徹底して行い、それを国際社会に信じてもらえるようにしなければならない。