▲金萬福国情院1次長は誰か〓金萬福(キム・マンボク)次長は尹光雄(ユン・グァンウン)国防省長官、李鍾伯(イ・ジョンベク)ソウル高検長らと共に国家情報院(国情院)長候補に取り上げられてきた人物だ。
釜山(プサン)出身で盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に入って、国家安全保障会議(NSC)事務処の情報管理室長に抜擢された後、イラク政府合同調査団長を経て、国情院企画調整室長に復帰するなど、昇進を続けた。李鍾奭(イ・ジョンソク)統一部長官と世宗(セジョン)研究所に一緒に勤めたことがあり、李長官がNSC事務処長を務めた時、一緒に勤務した縁があって、「李鍾奭系の人物」としても知られている。
しかし、大統領府の関係者は、「金次長は盧大統領が直接推挙した人だ」と述べる。大統領の直接信任が厚いということだ。金次長がNSC情報管理室長だった時代、大統領への報告が上手で盧大統領の目に止まったという話もある。
国情院内では彼に対する評価が分かれる。ある関係者は、「能力そのものを問題視するのは難しい。あまりにも真面目で努力家である」と言う。しかし、初めての内部昇進ケースで国情院長のトップになれるほどの実力と信望を備えているかについては否定的な評価も少なくない。
国情院の関係者らも金次長が次期国情院長の候補として取り上げられていることについて、内部昇進だと喜ぶ気流ではない。国情院のほかの関係者は、「金院長が金次長のことを正確に判断している」と言い切った。拒否されて当たり前だということだ。大統領府の一部で、国情院出身の金次長が次期院長に起用されれば、国情院職員の士気向上に役立つという話が出ているのと、国情院内部の雰囲気はかなり違う。
国情院のほかの高官は、「金次長は政権とコードを合わせ、政府与党の関係者らに親切にしたことの他に何もしていない。典型的な『ひまわり』スタイルだ」と露骨に非難した。
▲国情院、内部葛藤あったのか〓金次長は昨年、旧安全企画部盗聴事件の時、「過去の盗聴事実を全て公開しよう」と正面突破を主張した張本人だと、国情院の職員らは伝える。当時、大統領府が金大中(キム・デジュン)政権の通信傍受問題を取り扱わないわけにはいかないと内部方針を決めると、金次長が十字架を負って、良心宣言と傍受装備の廃棄を主導したということ。国情院の職員らは、「金次長が無鉄砲に押し進めたため、今は北朝鮮に対する通信傍受さえまともにできない羽目になり、国情院職員らの士気が地に落ちた」と述べた。この問題をめぐって、内部に葛藤があったという話だ。
今回の386スパイ団疑惑事件の捜査をめぐる軋轢(あつれき)もあり得る。国情院のある高官は、「金院長のスパイ事件捜査に対する意志は強い。対共分野がこれほど崩壊してよいのか嘆き、数回督励した。だから大統領府とコードが合うわけがない」と述べた。
金院長側で、「スパイなどについて大統領府と見方がまったく違うのに、これ以上『こうでもいい、ああでもいい』というふうに職責を保全して何をする。止めたほうがいい」という話が出たというのが、国情院関係者らが伝える雰囲気だ。
しかし、金院長は30日、国情院の内部会議でスパイ事件捜査と関連した外部圧力説などに対して、「全く事実でない」と述べた。金氏はさらに、「今回の捜査は被疑者に対する人権保護原則を守りながらも、事件の実体的な真実を明らかにしなければならないだけに、適法手続きに従って、徹底かつ厳正に捜査するのが重要だ。職員はこのような時ほど揺るぎない姿勢で本来の業務にさらに忠実であるべきだ」と強調した。
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