●「買い戻しの荒波」は来るだろうか
最近、ソウル汝矣島(ヨイド)の証券街では「買い戻しの荒波」の話が、すこしずつ流れ出している。
積立式ファンド加入者たちが来年、いっぺんに買い戻せば、証券市場に少なくないショックを与えかねないというのだ。
事実、ファンド商品の満期は、定期預金や積金の満期とは概念が違う。ファンドは一定期間(大半は90日過ぎれば買戻し手数料がない)が過ぎれば、1年でも10年でも維持してから、自分の望む時期に買い戻せばいい。期間延長がいくらでも可能だということだ。
しかし、ウ・ジェリョン韓国ファンド評価代表は、「ファンドでは満期というのが大した意味がないというということを、まともに分かっている投資者が多くない」と述べた。
ウ代表は、「他のファンドに乗り換えても、『一応3年になったから買い戻そう』とする可能性が高い。そうなれば、その金が再び流入されるまでに市場が混乱する可能性がある」と説明した。
積立式ファンド販売規模が最大の国民(ククミン)銀行の場合、来年に加入3年になる積立式ファンドは1兆2000億ウォンに達する。ファンド全体では1兆4000億ウォン分が来年に加入3年目になる。
この中でどれくらい買い戻されるかは、誰もわからない。満期が到来するのが初めてだからだ。
李インヨン国民銀行投資信託商品部課長は、「加入者たちが満期の時、どんな対応をするか予測しにくい。満期延長勧誘や新しい代替商品開発などの資金を再誘致する対応策を捜している」と話した。
李チェウォン韓国バリュー資産運用専務は、「証市状況が良くなければ買い戻すはずで、相当上がったら差益を実現するために買い戻すことは予想される。どの場合であれ、買い戻しが起きる可能性があるため、それに備えなければならない」と指摘した。
しかし、積立式ファンド満期の影響は、案外大きくないかも知れないという予想もある。
金セジュン・シンヨン証券投資戦略チーム長は、「適当な投資先がないだけに、満期になったからといって皆が買い戻すことはないだろう。来年から国民年金株式運用規模が6兆ウォン以上増加するなど、新しい資金が証市に流入されるだろう」と説明し、「買い戻しの大乱」の可能性を一蹴した。
●証券市場の資金流入は日増しに減少傾向
積立式ファンドは今年、韓国証市の心強い支えだった。
今年に入ってから6日まで、外国人が韓国証市で純売渡(売り渡し金額から買入れ金額を引いた金額)した金額は10兆9324億ウォンだ。それ程の金額が流れ出たにもかかわらず株価があまり落ちなかったのは、株式型ファンドの60%を占める積立式ファンドが外国人の売り渡し物量を受けてくれたからだ。
株式型積立式ファンドを通じて今年、証券市場に流入された金額が10兆7050億ウォンだから、事実上、外国人への売り渡し物量をほとんど吸収したわけだ。
問題は7月までは月1兆ウォン以上だった積立式ファンド増加金額が、8月に8260億ウォン、9月は5760億ウォンへと目立って減少しているということだ。特に、証沈滞の影響で、10月にはより減少したことと予想される。
オ・ヒョンソク三星(サムスン)証券研究員は、「市場が足踏み状態なので、一部の投資者が買い戻しを始めたためだ。海外ファンドに乗り換えようとする投資者たちも増えた」と説明した。
証市資金が、急騰しつつある不動産の方へ流れているという分析も一部から出る。
証券専門家たちは、「その間、金づるの役割をして来た積立式ファンド資金が枯渇の兆しを見せているのは、韓国証券市場を不安にする要因にもなり得る。消費が生き返えり、企業実績が増加して市場が上昇傾向に転じれば、ファンド加入顧客もまた増えるだろう」と指摘した。
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