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[社説]「企業の浮動資金」の投資をさえぎる勢力

[社説]「企業の浮動資金」の投資をさえぎる勢力

Posted November. 22, 2006 06:56,   

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企業の余剰資金現象が続いているのに、企業は投資を渋る。12月決算の上場会社が計上した純利余剰金は資本金の6倍を上回っている。国内で投資先を見つけられず、海外に流れている金も日増しに増加している。投資が途絶えれば、企業と経済は成長が止まり、老化するため、韓国経済に赤信号が灯って久しい。

かといって、「投資せよ」と企業に働きかけることで解決できる問題でもない。投資は、企業の生死がかかった問題だ。「野放図な投資」の惨たんたる結果を97年の通貨危機の際、身をもって経験した韓国の企業は、投資をすべきタイミングと渋るタイミングの判断に非常に慎重であるのは当然と言えよう。しかし、政府が規制緩和といった「企業に配慮する環境」を作り、投資したくなる雰囲気を醸成することはできるはずだ。少なくとも、投資の妨げになってはならない。

出資規制にいつまでも執着する公正取引委員会は、巨額の浮動資金を抱えている企業の投資意欲をそいでいる。首都圏への投資を規制する政府と政策も同じだ。韓米自由貿易協定(FTA)への反対を掲げてストライキを強行する全国民主労働組合総連盟の行動も、投資をためらわせる要因となっている。北朝鮮の核問題も、「韓国リスク」を増幅させる。経済と民間経済の活性化において最も求められる国内投資を妨げる勢力と要因である。

韓国はもともと企業家精神が高いことで知られている。金利も低い。にも関わらず、企業は金もうけが期待できる投資先を見つけられずにいる。これは、韓国経済全体の成長潜在力が弱まり、生産性が伸び悩んでいることを意味する。「不況か、好況か」の問題ではなく、その中身(ファンダメンタルズ)が痛んでいる、ということだ。問題の深刻さはここにある。

500兆ウォンを上回る浮動資金は最近のマンション価格の上昇をもたらした原因でもある。この金が生産的な部門に流れるように道を開かないと、不動産価格の暴騰が続き、国レベルの災いを招く恐れさえある。浮動資金を吸収できる金融商品の開発や消費促進も必要だが、根本的な解決策は、やはり投資の活性化だ。

企業投資の活性化や生産性増大のためには、企業自らの努力のみならず、外部環境の改善も切に求められている。市場経済の効率性向上、企業を敵対視する空気の解消、国内企業への逆差別の撤廃、小さな政府の実現といったものだ。価格技術の発展は基本インフラである。教育も「平鈍化」から脱し、「競争を通じた競争力の向上」を図るべきだ。投資を妨げる勢力が消えれば、投資は再び伸びるはずだ。