与党ヨルリン・ウリ党が国会が発議しておいた10の過去史法がいずれも成立する場合、国会議員の推算だけでも今後5年間約2兆3810億ウォンの予算が必要なことが分かった。これらの法案が成立すれば、現在15ある過去史委員会は21に増えることになる。
10の過去史法のうち、今年国会常任委員会全体会議を通過しているか常任委に係留中の法律が5つ、今年発議されて常任委の審査を控えているのが4つだ。
与党は、1年余り残っている盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の任期中に、これらの法案を急いで成立させる方針で、ハンナラ党など野党も関連団体などを意識して一部同調しているムードなので、議論が予想される。
▲予算をまかないきれるか〓ウリ党の張福心(チャン・ボクシム)議員は、「太平洋戦争の犠牲者に対する生活安定支援法案(太平洋戦争法案)」を代表発議し、この法が成立する場合、5年間で1兆6835億ウォンがかかると予想した。この法案の内容は、太平洋戦争の犠牲者と遺族に生計給与、医療給与、生活安定金の支給、賃貸住宅の優先賃貸権などの恩恵を与えるもの。
しかし、これは支援対象を2万5500人に推定した時の数値だ。この法案に対して、国会予算政策処は支援の対象者を61万6679人と見て、今後5年間で5兆5696億ウォンがかかると推定し、企画予算処は支援の対象者を103万2000人に44兆7000億ウォンの予算がかかると展望した。
このように必要な予算の推計がまちまちであるため、法案審議の過程で綿密に分析しなければならないという指摘が出ている。10の過去史関連法案がすべて成立すれば、議員の「ずさんな」推算額(2兆3810億ウォン)よりはるかに多くの資金がかからざるをえないからだ。
ウリ党の金在洪(キム・ジェホン)議員が昨年提出した「解放以後、言論弾圧に対する真相糾明と被害者名誉回復および賠償に関する特別法案」は、1546億ウォンがかかるものと予想された。
4日、国会行政自治委員会を通過した「民主化運動関連者名誉回復および補償などに関する法律改正案」は、民主化運動の認定時期を「1969年8月7日」から、韓日会談の反対のための初めてのデモが行われた1964年3月24日に繰り上げる内容で、192億800万ウォンがさらにかかる見通しだ。
▲委員会の重複、司法の領域侵犯〓雨後の竹の子のように提出された各種過去史関連法案は、予算問題のほかに憲法や他の法律と対立したり、法の体系がきちんと整えられていないなど、多様な問題を抱えていることが分かった。国会の各常任委の専門委員が作成する法案の検討報告書にも過去史法に対する問題提起が少なからず見受けられる。
保健福祉委員会の専門委員は、「太平洋戦争法案の場合、強制動員された犠牲者本人ではなく、太平洋戦争犠牲者の遺族を支援することで、補償の性格が強い」と述べた。「補償」は国が損害を加えた場合に損失を償う概念だが、太平洋戦争をこのように見るのは難しいという指摘だ。
太平洋戦争法案はまた、「日帝下の日本軍慰安婦に対する生活安定支援法案」と「国家有功者礼遇および支援に関する法律」と相当部分重なり、すでに「日帝強点下での強制動員被害真相究明などに関する特別法」に従って、被害真相の究明が実施されている点も勘案しなければならないということだ。
「解放以後、言論弾圧に対する真相究明と被害者名誉回復および賠償に関する特別法案」に対して、文化観光委員会の専門委員は、国による不法行為の可否と損害の規模を決めるのは裁判所によって遂行されるべき賠償の手続きであり、これを特別委員会の設置を通じて実施するという法案内容は問題があると指摘した。
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