与党のヨルリン・ウリ党は一昨日、与野党の大統領選挙候補らのうち、支持率1位の李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長を狙ったネガティブキャンペーンを行った。党指導部の会議場に「朴正熙(パク・ジョンヒ)の顔立ちが好きな人たち」と題した写真を掲げたが、それは李前市長がサングラスをかけている写真だった。同党の金槿泰(キム・グンテ)議長、金ハンギル院内代表、文喜相(ムン・ヒサン)議員がその写真のそばに立ってにっこり笑っている姿が「印象的」だ。ウリ党の閔(ミン)ビョンドゥ広報企画委員長は「李前市長が朴元大統領の生家を訪問した際にもサングラスをかけて『大運河は21世紀の京釜高速道路』と主張するなど、『朴正熙シンドローム』に乗じる思惑だ」と主張した。
ウリ党の人たちは、民主党時代の02年の大統領選挙の際、「ハンナラ党の李会昌総裁が息子の兵役逃れを隠蔽(いんぺい)した」「李総裁の側近が20万ドルの賄賂を受け取った」「李総裁夫人のハン・イノク氏がキヤン建設からロビー資金を受け取った」という、いわゆる3大疑惑を取り上げ、成果を挙げた思い出がある。次の大統領選挙が1年後に迫っている今、その思い出をよみがえらせたくなったのも理解できなくもない。
閔委員長は「これから週に1件ずつ、ハンナラ党の大統領候補に対する検証を行う」と予告までしている。ウリ党がこれまで週に1件ずつ、民間経済のための努力を積み上げていたら、国民の支持率が9.4%(社会世論研究院の12日調査)まで落ち込むことはなかっただろう。野党の大統領候補への関心と同じくらい関心を国政に寄せていたら、党の「大統領候補者」と呼ばれる者たちの支持率が1〜3%台にとどまる恥辱は免れたはずだ。
与党が国民と歴史を恐れずに、またもやネガティブキャンペーンに乗り出したのは、前回の大統領選挙の際に行われた違法的な政治工作への責任追及がうやむやになったためだ。大統領選挙の行方に影響を与えた3大疑惑は、裁判所の判決ですべて「でっち上げ」であることが判明したにもかかわらず、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と与党は謝罪すらしなかったし、国民も積極的に責任を追及しなかった。むしろ、疑惑作りに直・間接的に関わった人物たちが現政権で要職に就いた。これは、現政権が批判してきた「日和見主義者たちの勃興」ではないか。盧大統領が真の「正義が勝利する歴史」を作りたいならば、過去史調査に当てる予算の数%でも分けてその醜い選挙史の調査を進めるべきだ。
ネガティブキャンペーンは、有権者が票をもって断罪しなければならない。政界も「真偽はともかく疑惑ありき」式の暴露を処罰できる装置を講じる必要がある。ゲームのルールを揺さぶるネガティブキャンペーンは、民主主義の主敵だ。