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小口株主の賠償訴訟で大企業が相次ぎ敗訴 経営萎縮の懸念広がる

小口株主の賠償訴訟で大企業が相次ぎ敗訴 経営萎縮の懸念広がる

Posted January. 06, 2007 06:47,   

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今回、第一(チェイル)薬品の少額株主が経営陣を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、第一薬品の経営陣に対して裁判所の賠償判決が言い渡された。裁判所は、経営陣が犯罪を犯さなかったとしても、職務を充実に遂行していない点さえ認められれば、賠償責任を認める傾向にあるので、今後企業の「法律リスク」が高まる見通しだ。

特に、今回の株主代表訴訟に続いて、今年は二重代表訴訟制など改正された商法が導入される予定であるため、企業は訴訟への負担による経営委縮を懸念している。

▲違法行為がなくても責任…経営判断にも法の定規〓本紙の取材結果、ソウル中央地裁民事合議21部(金在馥部長判事)は、第一薬品の小口株主のホ某氏(59)が、「代表理事が業務にそぐわない行為で会社に損害をもたらした」として、韓昇洙(ハン・スンス)第一薬品会長を相手取って起こした26億ウォンの損害賠償請求訴訟で、「韓会長は会社に約20億9000万ウォンを賠償するように」と、原告一部勝訴判決を言い渡したことが5日、分かった。

第一薬品の株式の1.01%(1万5000株)を保有しているホ氏は05年11月、「韓会長が第一薬品代表を務めていた03年12月当時、経営悪化に直面していた子会社(第一メディテック)に対する自分の保証債務を第一薬品に転嫁するやり方で、会社に損害をもたらした」として、訴訟を起こした。

これに対して裁判所は、「子会社の資金繰りが厳しい状況で、親会社が連帯保証を立つ時に発生しうるリスクを防げなかったのは、善良な管理者としての注意および充実義務を違反(任務怠慢)になる」とし、「韓会長は、第一薬品が被った損失に対して賠償する責任がある」と明らかにした。これに対して、第一薬品は判決文を検討した上で、控訴するかどうかを決定するとの姿勢を示している。

今回の判決の核心は、裁判所が「韓会長が商法および証券取引法上の具体的な法令を違反したわけではないが、取締役としての義務に充実でなかった」とし、経営陣に会社に対する賠償責任があると判断したことだ。会社の経営陣の賠償責任の範囲が幅広く認められたわけだ。

▲相次ぐ小口株主の勝訴…困惑極まりない財界〓昨年8月、ソウル南部地裁は、参加連帯が「会社の株式を経営陣とオーナー一家に安価で売り渡した」とし、具本茂(ク・ボンム)LGグループ会長をはじめ、LG化学の前職・現職の理事8人を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、「具会長らは会社に400億ウォンを賠償するように」と判決した。LGグループは控訴を諦めた。また、昨年9月にもソウル南部地裁は、「大象(テサン)グループの秘密資金の造成で、会社が被った損害を賠償するように」として、2人の小口株主がイム・チャンウク名誉会長らを相手取って起こした訴訟で、「イム会長らは会社に約4億1200万ウォンを賠償するように」と言い渡した。

このように昨年から裁判所が株主代表訴訟に対して、小口株主に軍配を上げていることから、企業は今後言い渡される判決にも神経を尖らせている。しかも、裁判所が経営陣の不法行為ではなく、経営判断に対しても賠償責任を認めていることに対して困惑を隠していない。

現在、第一毛織の前・現職経営陣と少額株主が三星(サムスン)エバーランド転換社債(CD)発行と関連して、株主代表訴訟を進行中だ。また、李益治(イ・イクチ)前現代証券会長と玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)現代グループ会長もそれぞれ、現代重工業に対する不当覚書の作成や現代商船株式の低価売却などを理由に小口株主と訴訟を進めている。

▲経営委縮への懸念広がる〓株主代表訴訟に続いて、時期はまだ確定されていないものの、二重代表訴訟制度も導入される見通しであることから、経営委縮への懸念が広がってている。

全国経済人連合会は、「従来の株主代表訴訟のほかに、二重代表訴訟制度まで導入されれば、訴訟への負担が大きくなる経営陣の経営意欲が低下しかねず、企業の独立経営の原則を阻害する恐れがある」と憂慮した。

企業訴訟研究会会長のチョン・サムヒョン崇実(スンシル)大学法学科教授は、二重代表訴訟と関連して、「親会社の株主が子会社の理事を相手取って訴訟を起こせば、かえって子会社の株主が株価下落などで損することがある」とし、「金融市場と産業界に与える副作用などを勘案して、制度導入に慎重を期さなければならない」と指摘した。

ある大企業の法務担当役員は、「米国など先進国では企業と経営陣を相手取った過度な訴訟増加の副作用が深刻になって、会社の経営陣の責任を緩和しようとする立法まで進められている」と説明した。

金成浩(キム・ソンホ)法務部長官も4日、本紙の記者と会った席で、「無分別に企業狩りをするように訴訟を乱発するのを阻止するため、商法など関連法律の見直しを検討している」と明らかにした。これに対して経済改革連帯の金ヨンヒ弁護士は、「一株を持っていても訴訟が起こせる米国と違って、保有株式の資格要件が厳しい国内では訴訟が乱発する可能性はない」と主張した。



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