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[オピニオン]経済権力部の特権と反則

Posted January. 08, 2007 03:12,   

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「権力と通じていないと、企業を経営することも大変」という苦情が多い。経済権力部の力が強すぎるからだ。そのなかでも金融監督院や公正取引委員会、国税庁などが代表的だ。同機関の公職者は、企業の生死を左右する権力を握っているので、実業家には「神様」なのだ。実業家が彼らの前に列をなしたり、「防弾会」を作ったりするのも、そのためだ。

多忙な実業家が大学院の最高位課程や各種の社交会に加入して、人脈作りに苦労するのも分かるような気がする。

◆信用金庫買収のための不法ロビーの疑いで逮捕された金興柱(キム・フンジュ)サムジュ産業(前グレース百貨店)会長は、防弾会を自分で作ったケースだ。元々、孤児院や老人ホームでボランテア活動をするという意味から「愛を実践する兄弟の会」という名をつけたという。時間がたつにつれて、45人の会員たちはお互いに「兄貴」、「弟」と呼び始め、いつの間にか「兄弟会」という略称を使うようになったという。しかし、実際には金氏のロビー窓口と楯の役割をしたと検察では見ている。

◆同会の会員や準会員の顔ぶれは華やかだった。金氏の信用金庫買収の試みを手助けした疑いで緊急逮捕された金融監督院の現職副院長や元光州(クァンジュ)支院長、01年の事件初期に内部調査の妨害を図って左遷されたK検査長、元大統領秘書室長のH氏、元国税庁長のL氏が会員やオブザーバーとして入っている。検察幹部出身の元長官や放送局出身の政治家、中堅マスコミ関係者、有名芸能人もいる。会員のうち、信用金庫買収の試みに関係した監査院出身のK氏は釈然としない自殺をとげた。

◆人脈にだけ目を通してみても、経済権力機関の特権と反則を推し量ることができる。先日、大統領は「公職者たちの優秀性」をほめたが、経済部処には「不良公職者」も多いということを果たして知っているのだろうか。01年から同事件を捜査してきた検察がいまだ輪郭すら、ろくにつかんでいないのは、金氏を手助けした人物たちが各界に網羅されているからではないか。したがって、今回の事件の真相は多分、「兄弟会」の顔ぶれの中にあるようだ。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com