年末のボーナスの支給をめぐってエスカレートしている現代(ヒョンデ)自動車の労使間の対立が、長期化する気配だ。
現代自動車の朴ユキ労組委員長は9日午前、記者会見を開き「11日までに会社側が年末ボーナス50%を追加支給しなければ、12日に臨時の代議員大会を開き、ストに突入するかどうかを決めるつもりだ」と明らかにした。同日の代議員大会でスト突入が決まれば、直ちにスト指導部を構成した後で来週からストに突入すると、朴委員長は付け加えた。
また、労組は「会社側は、昨年労使が合意したボーナスをすべて支払っていなかった」といい、現代自動車を労働組合および労働関係調整法上の団体交渉違反の疑いで9日、釜山(プサン)地方労働庁の蔚山(ウルサン)地庁に告訴した。
一方、全国民主労働組合総連盟の蔚山本部が、仕事初めの式をボイコットしたことについて謝罪することを提案したことに対し、「このタイミングで、謝罪や残念な気持ちを表明することは望ましくない」と拒否した。
労組は同日午後5時半、蔚山工場の本館前でボーナス獲得に向けた全体組合員集会を開いた。労組の代議員と小委員など、500人あまりは8日から本館前の広場で徹夜の座り込みを続けた。
さらに10日午前7時、蔚山工場の隣の社宅広場で観光バスで上京デモ団が出発することを決めた。労組は上京デモ団に代議員(400人あまり)と小委員(1500人あまり)は、必ず参加するようにしており、蔚山工場の一般労組員は月次休暇(一ヵ月間皆勤時に一日休む制度)をとり、全州(チョンジュ)と牙山(アサン)、首都圏の組合員は早退してから合流することになった。
現代自動車の尹汝迵(ユン・ヨチョル)社長は、同日午前ラジオ番組に出演し「年末ボーナスの追加支給は、もはや交渉の対象ではない」と言い切った。また、尹社長は「これまでの間違っていた慣行を、今回こそ断ち切らなければ現代自動車の未来はない。損害賠償請求訴訟と告訴事件を(途中で取り下げず)最後まで押し通すつもりだ」と強調した。
労組の特別交渉要求に対して尹社長は「ボーナスは特別交渉の対象ではないが、懇談会の形なら会う用意がある」と述べた。
昨年12月28日から始まった労組の残業および特別勤務の拒否で被った会社の生産損失は9日までで、車両9306台を生産できず発生した1418億ウォン(会社の推算)。また、残業と特別勤務の拒否による労組合員の賃金損失額も、一人当たり100万ウォンに迫るなど、労使いずれも損失が大きく膨らんでいる。
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