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元国務省韓国課長「米の外交政策、善悪論理の接近は困る」

元国務省韓国課長「米の外交政策、善悪論理の接近は困る」

Posted January. 12, 2007 06:35,   

한국어

——韓国学生に何を教えたいか。

「ご存知のように、私は国務省で韓国と日本の政策を講じる経験をしてきた。韓国課長時代は、6者協議の初期の交渉(第1〜3回6者協議)に参加したし、また、日本課長としては在日米軍基地の移転交渉もした。このような経験を土台に、韓国の若い世代が米国と日本を理解するよう力になりたい。客観的な視点を失わず講義する考えだ。米国の外交政策を善悪の概念だけで接近すれば、本質を見誤る恐れがあるという点を、学生たちに伝えたい」

ストローブ前課長は、米国務省内で代表的な知韓派かつ知日派とされる。1970年代末から80年代の初めと1999〜2002年の2度にわたって7年間韓国で勤務し、延世(ヨンセ)大学語学堂で1年間、韓国語を学んだ。日本でも6年間勤務し、日本語の勉強だけに2年を費やした。

——外交懸案だけでなく、韓米日3国の現代史にも関心が高いと聞いた。

「桂・タフト協定(米国が日本の朝鮮支配権を認める対価として、日本が米国のフィリピン支配権を認めることを決めた密約)、韓国戦争、韓米相互防衛条約の締結、韓日国交正常化のような歴史的問題も扱いたい。歴史的事件には、複雑な関係の躍動性があるものだ。学生たちに、単なる自己中心的な思考を捨て、総合的な視点で韓米関係を見ることを注文したい」

——北朝鮮制裁2年目に入る今年の北朝鮮の未来に、悲観的な見通しが出ている。北朝鮮の変化の可能性をどのように見るか。

「北朝鮮は徹底して孤立した国家であり、北朝鮮の政治変動を外から展望し、診断することは難しい。しかし、いつか莫大な変化を経験することになるだろう。すでに崩壊が始まっているのか、数十年かかるのか、誰にも分からない。1999年、ウィリアム・ペリー元米国防長官が下した「近い将来の北朝鮮の崩壊を展望し、政策を展開することは賢明ではない」という結論が想起される。北朝鮮の崩壊した経済体制も大規模の飢饉も、北朝鮮内部に政治的変化をもたらさなかった。韓国と中国を含む周辺国は、北朝鮮の崩壊という政治不安を受け入れることができないため、米国主導の経済制裁には部分的に賛成するだろ。結局、経済問題が決定的に北朝鮮崩壊をもたらすことはないだろう」

ストローブ前課長は、国務省で北朝鮮をよく知っている外交官として通っている。国務省の韓国課長という地位は同時に「北朝鮮課長」と相違ないためだ。ストローブ前課長は、2回目の核危機の出発点となった2002年10月のジェイムズ・ケリー国務次官補の平壌(ピョンヤン)訪問に随行し、姜錫柱(カン・ソクチュ)外務省第1外務次官が「ウラン核計画の保有を認める」現場にいた。しかし、北朝鮮の権力構造の展望には、非常に慎重な態度を維持した。

「10年、15年前よりも米国が北朝鮮を理解していることは事実だが、依然として、あまりにも分かっていないという点も明らかだ。統制された閉鎖社会であるため、北朝鮮軍部も北朝鮮の隅々で起こっている実情を十分に把握しているか疑問だ。権力核心部に報告が正確に伝わるという確信もない」。

——一部では、中国が主導して米国が黙認する親中国クーデターの可能性が絶えず流れている。

「はたして、それが可能だろうか。軍部をはじめとする北朝鮮の政治エリートも、固く団結する可能性が高い。上からの処罰も恐怖だが、指導部の分裂によって南北統一が韓国の主導で成立するなら、自分たちに対する過去事の処罰が現実に起こると考えるだろう。北朝鮮の崩壊がないという結論を下そうというのではない。ただ、米国が持つ情報では、(北朝鮮がクーデターで崩壊すると)このように結論づけることは大変難しいということだ」

ストローブ前課長の今回のソウル訪問には、夫人も同行する。米ワシントンの韓国大使館関係者は先日、「ストローブ前課長がソウル大使館に勤務していた時代、韓国文化に関心を持ち、曹渓(チョゲ)寺の韓国文化紹介の講座に通った。夫人に会ったのもその頃だ」と話した。



srkim@donga.com