軍事文化や個性抹殺の象徴という非難を浴びて一時は廃止された学校の制服だが、昔も制服にはそれなりの流行があった。男子生徒はズボンの丈を短くして、足首が見えるように履いたり、ズボンの幅を狭くして履くのが流行だった。また、上着はフックを外して白い首だけのポーラ服をのぞかせたり、帽子を少し傾けてかぶると、「反抗的なイメージ」という趣があった。女子生徒はスカートの丈を短めにして履いたり、腰にくぼみを入れて履いた。のりのよく効いた白い衿を保つための洗濯やアイロンがけはまめまめしい女子生徒の日常のことだった。
◆流行に関しては、最近の制服世代が一枚上手だ。標準化で学校の特性が薄くなった今、生徒たちは「制服がぱっとしない学校には行きたくない」という。ただし、最近の流行は生徒より有名制服メーカーが主導している。大手企業が制服市場に参入し、学校で指定した制服のデザインや色だけ同じで袖や仕上げなどの裁断や素材が目立つ製品を次々と出している。生徒たちはどんなブランドの服を着るかによって、自分の個性を現そうとする。
◆現在、制服市場の80%を占めている有名ブランド社の制服価格は23〜25万ウォン。洗濯の間に着替えるため、シャツやズボンなどを1着追加すれば、30万ウォンは安く超える。一部の大企業では、高級の輸入生地を使ったというプレミアム製品も出したが、50万ウォンを超える高価にもかかわらず、飛ぶように売れていると言う。これにコートまで付け加えると、制服価格だけでも70万ウォンもするから、それでなくても教育費の負担にあえいでいる父兄たちは音を上げざるを得ない。
◆新学期になると、制服をめぐって、メーカーと学校間の談合の疑惑が取りざたされてきたが、最近、制服価格がとてつもなく値上がりしたのは制服メーカーのマーケティング費のせいだという指摘が多い。有名芸能人を全面に出した広告攻勢や携帯用音楽プレーヤー、携帯電話などの高価な景品をかけたイベントの費用がそのまま製品価格に転嫁されていると言う。さらに、「足が長く見える」として外観だけ強調した結果、活動の旺盛な生徒たちからは不便だという不満も出ている。それで一部の保護者団体が「制服を着ないで登校する運動や制服反対運動」に乗り出したという。メーカーとのにらめっこで何の罪もない制服だけが学校から追い出される羽目になるのではないだろうか。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員shchung@donga.com