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「人生は庭作りのようなもの」 新作発表の朴婉隺氏

「人生は庭作りのようなもの」 新作発表の朴婉隺氏

Posted February. 05, 2007 03:00,   

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「ただなんとなくこの歳まで生きてきたわけではありません」

高齢化社会への懸念が高まっている昨今、年を取るのも肩身が狭いという小説家の朴婉隺(パク・ワンソ)氏(76・写真)。最近、新作エッセー集「くわ(ヨルリムウォン出版)」を出した同氏は、「ほとんどが70歳を過ぎてから書いたものなので、本を出すのも申し訳ない思い」と言いながらも、「この歳までいい加減に生きてきたわけではない」ときっぱり言い切った。

京畿道九里市(キョンギド・クリシ)の峨嵯(アチャ)山のふもとに住居を構えてもう9年。朴氏は庭に花畑を作って花や木を育てながら「かけがえのない幸せと平和を味わった」と話す。木蓮、梅、杏、桜、ライラック等等。朴氏は「この年まで生きてきて、胸がいっぱいになるような激しい幸せも味わったけど、そのような感情にはいつか消えてしまいそうな不安感が付きまとっていた。しかし、自然の秩序を認め、順応する今の幸せには不安がない」と強調した。

本のタイトルの「くわ」は、庭作りの際に愛用している農機具だ。朴氏は「草取りをするとき、くわを使えば手で触るように土を感じることができる。私の人生を振り返れば、時にはくわを投げ捨てたかったときもあったけど、じっくりじっくりと、草取りをやめなかった」とくわ入れを人生に例えた。

政界への叱咤もした。「痴呆だろうと思いながら聞いている」という題のエッセーでは「あまりにも厚く泥を塗っているため、私に見分けができないのではないか。『あんな醜態はもううんざりだ』と悲鳴でも上げたくなるほど、彼らの泥仕合には虫唾が走る」と書いている。

朴氏は「今が苦しいなら変えればいいと信じることができた頃は幸せな時代だった。改革政府が執権してから、改革への信頼が崩れた。政治家らが離合集散とネガティブキャンペーンに明け暮れているのを見ると選挙シーズンが近くなっているみたいだが、彼らを追い出して、新たに迎えたくなる新顔が思い浮かばないから大変だ」と嘆いてもいる。

「70年は、恐ろしく長い歳月」と言いながらも、朴氏は「私の歳に6(60代)が付いていたときまでは、人々をあっといわせるような鋭い言葉を練り出すことに夢中になっていたが、最近になってから、寛大で暖かくて、人々が癒されるような文章を書けたらと思うようになった」と、自分の文章が読者に癒しと温もりを与えるものになることを望んでいた。



kimjy@donga.com