「うちの子がいじめを受けたりはしないか。団体生活にうまく適応するだろうか。健康上の問題なないだろうか…」。小学校への入学を控えた子どもの両親は誰もがこのような心配をしがちだ。この頃は保育所や幼稚園で、学校生活をあらかじめ経験する子どもたちが増えてはいるが、小学校の入学は本格的に授業が行われルールが多少厳しくなるという点で、子どもたちには大きなストレスとして働く可能性が高い。子どもたちが生活にうまく適応するために、親は入学前から健康検診を通じて、体や精神的な健康の面で問題はないか調べて見たほうがいい。
●目鼻や歯の検査は基本
入学した後の子どもたちは、本やコンピュータなどに長い時間向き合う可能性が高い。本やコンピュータを長く見ると、眼の水晶体の調整に異常が生じ、目が疲れやすい。ひどい場合にはもともと持っていた仮性近視や近視、斜視が悪化することもありうる。
江南聖心(カンナム・ソンシム)病院小児眼科のチェ・ドンギュ教授は、「一般的に眼科の検診は満4歳前後で受けて、視力の異常を早期発見して治療したほうがいい」とし、「もし、検診の時期を逃したら、小学校入学前にでも必ず受けるべきだ」と述べた。
子どもがテレビを見るときに顔をしかめて見たら、近視を疑わなければならない。遠視があると黒板の文字はよく見えても本の文字がよく見えなく、勉強をすると目の疲れの症状がひどくなりうる。めがねをかけた状態の矯正視力が0.8以上でないと(弱視)、専門的な治療を受けなければならない。弱視治療は満6歳以前に始めるのが効果的だ。
片眼だけに弱視がきたり、斜視が生じる「不等視」もある。視力のよい片方の眼だけでも生活ができ、自分では知らない場合が多いので検診で発見して、早めにめがねをかけてこそ、さらに悪化するのを防げぐことができる。
斜視は子ども全体の2、3%がかかる。とりわけ疲れたり病気の時にたまに現れる「間欠斜視」は、親が分かりにくく検診を受けるのが大事だ。
歯も管理しなければならない。小学校への入学前後は子どもたちの乳歯が抜け、永久歯が生える時期でもある。買い食いが多くて虫歯になりやすく、八重歯があると劣等感を感じやすい。もし乳歯がある状態で永久歯が生えると、歯科で乳歯を抜き取らなければならない。
子どもが頻繁に鼻をほじくったり、触ったり、あるいはクンクンと鼻を鳴らしたりすると蓄膿症を疑ってみるべきだ。普段から口をあけていびきをかきながら寝る子どもは、寝起きした後も疲れが取れなく、集中できないので勉強の邪魔になる。
年齢別に受けなければならない予防接種も確認してみて、落としたものがあれば追加で接種しなければならない。とりわけ、はしかやお多福風邪、風疹(MMR)は必ず確認しなければならない。
●登校ストレスなのか、精神的な病気なのか確認しなければならない
入学前の子どもたちは急に布団におしっこをしたり、つめを噛み付くなど、異常な行動を見せたりもする。ストレスによる行動だが、この時は自信を覚えるようにするのがいい。
人前で話す状況などをあらかじめ練習したり日記をつけて、ストレスを効果的に調整できるようにするのがいい。適当な運動も役に立つ。
もし、子どもが、△友達に敵対感を持っていたり、△言語発達が遅れたり、△行動が散漫で集中力が落ちたり、△理解力や状況の判断力が落ちたり、△母親と離れることを心配しすぎる——と、小児精神科の専門医との相談が必要だ。
母親と離れることへの不安は通常、入学の初期に現れてはまもなく消える。入学数週間前から学校のように決まった時間に本を読んだり食事をする練習をしたり、子どもと一緒に学校に行って教室や運動場を下見するなど、学校と親しくなる練習をする。
気が散って一つのことに集中できないと、「注意力欠乏—過剰行動障害(ADHD)」を疑ってみるべきだ。通常、学齢期の子供たちの3〜5%がかかって、初期に診断を受けると治療もしやすい。
言語発達の障害があれば知能にも障害がないか、検査を受けてみなければならない。単なる発音の問題なら心配ないが知能も落ちると特殊学校での教育についても検討してみなければならない。学習障害の検査も必要だ。多くは、両親の子どもへの期待が大きすぎて落ちると思うケースが多いが、たまには実際に子どもの認知能力が落ちるケースもある。
(助言=三星ソウル病院小児青少年精神科のチョン・ユスク教授、翰林大学聖心病院小児歯科のオ・ソヒ教授)
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