Go to contents

[オピニオン]民情秘書官

Posted February. 26, 2007 07:23,   

한국어

1957年8月30日の夜、慶尚北道(キョンサンプクド)のある警察署長は「私は李康石(イ・ガンソク)だ」と言ってかかってきた電話に、全身が凍りついた。李康石は李承晩(イ・スンマン)大統領の養子である李起鵬(イ・ギブン)副大統領の息子の名前だったからだ。署長は李康石を装ったカン・ソンビョンの元に駆けつけ、「高貴な身分で…」と云々しながら、手厚くもてなした。ニセ物の李康石は、「父親の密命で風水害の状況を視察し、公務員の不正を内査しに来た」とし、3日間にわたり市長、郡守、署長から勅使のもてなしを受け、金品まで受け取った。彼は慶尚北道知事の息子が本当の李康石の友達であることを知らず、道知事の官邸に泊ろうとして逮捕された。

◆民主化以後の政権でも、大統領府の詐称は通じた。2001年からの5年間に摘発された大統領府の詐称事件は、59件にもなる。このために大統領の親戚・姻戚は「潜在的な犯罪容疑者」の扱いを受けた。社稷洞(サジクドン)チームや治安本部の特殊捜査隊は彼らの不正を予防するための別働隊だった。大統領民情秘書官は親戚不正の予防を主な任務としている。このような抑制装置があっても、政権末期には大統領の子供、親戚・姻戚、側近に係わる不正が浮上し、大統領のレームダック現象が起きた。

◆今の大統領府も大統領の親戚・姻戚900人余りを常時管理するシステムを運営している。決定的な不正はまだ明るみに出てないが、親戚・姻戚関連の不正疑惑はあった。就任初めには大統領の実兄に人事請託の疑惑が持たれた。大統領の姻戚が3年前に飲酒運転の交通事故を起こしたが、大統領府が飲酒事実を隠蔽しようとしたという疑惑が昨年2月に提起されたりした。「海物語(バダイヤギ)事件」には大統領の甥の関連疑惑が浮上したが、検察は容疑無しの処分を下した。

◆民情秘書官は大統領府の倫理官の役割まで果たす、勢力のある秘書官として通じている。大統領秘書室の高位公務員83人のうち、14人が最高等級クラスだが、民情秘書官もここに含まれる。先週の金曜日に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は自分の姻戚の飲酒運転に対する隠ぺい疑惑が持たれた呉民秀(オ・ミンソク)行事企画秘書官を民情秘書官に任命した。親戚・姻戚の不正及びこれを処理する側近に対する大統領の「身内に偏る」感がする。

權順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com