アフガニスタンに派兵された国軍建設工兵支援団タサン部隊所属のユン・ジャンホ兵長が一昨日、現地でイスラム過激派グループの自殺爆弾テロで命を失った。実に残念なことだ。国防の義務を果たすために米国留学中に帰国し、志願して紛争地域にまで行き、4ヵ月後の除隊を目の前にして災難に遭ってしまった。家族の心情はいかばかりか。心よりご冥福をお祈りする。
ユン兵長の犠牲は、世界平和と安全について改めて考えさせる。世界は今、紛争とテロの危険にさらされている。特にテロは「ボーダレス戦争」であるため、他人事だと済ませることはできない。2973人の犠牲者を出した米国の9・11テロで見たように、常に不特定多数の罪のない生命がねらわれる。私たちにもいつ刃が向けられるかわからない。
国連加盟国として韓国は、テロや紛争から世界の平和を守る義務がある。米国主導の多国籍軍と国連平和維持軍の一員として、全世界の8地域に約2500人の将兵を派遣したのもそのためだ。6、7月には350人のレバノン派兵も予定されている。紛争地域の再建と人道的支援が主任務だが、このすべてが「平和のガードマン」としての活動である。
韓国は、韓国戦争の時、血でこの地を守ってくれた国連に借りがある。当時、米軍3万6940人を含め16の参戦国の将兵4万670人が戦死し、10万4280人が負傷した。彼らの犠牲がなかったなら、自由民主主義を守り抜くことはできず、経済成長も果たせなかっただろう。
そのような点でユン兵長の貴い犠牲は、反戦や海外派兵の反対、派兵部隊の撤収を主張する口実に悪用されてはならない。一部の市民団体や政党からそのような声が出ているのは残念だ。大統領を夢みる鄭東泳(チョン・ドンヨン)元ヨルリン・ウリ党議長が、「軍当局と協議し、もはや撤収計画を作成する時だ」と述べたのは、信じられないことだ。そのような主張は、テロの前にひざまずくことであり、国家の身代わりとなった一人の若い将兵の死を不名誉なものにすることだ。