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[オピニオン]「軍紀粛正」の閣議

Posted March. 15, 2007 07:04,   

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盧泰愚(ノ・テウ)政府時代のエピソードの一コマ。姜英勲(カン・ヨンフン)首相が就任直後に閣議を主宰したところ、後ろの席に陪席していた大統領府の某首席秘書官が「閣下のお言葉」と言って大統領の言葉を伝えようとした。当時においては「至当な慣行」だった。しかし、姜首相の怒鳴り声が会議場に鳴り響いた。「そこにいるのは誰だ。誰が閣僚の会議に割りこむのか!」誰だか知って発した言葉だった。

◆金大中(キム・デジュン)前大統領は、秘書室長の発言も禁じた。企画予算処長官を終え、大統領秘書室長になった田允迵(チョン・ユンチョル)前監査院長は、「血竹先生」というニックネームにふさわしく、閣議の席上で数回にわたって閣僚たちの発言を批判した。そうしたある日、大統領から「秘書室長は閣議で絶対に発言するな」という緘口令を受け、顔を上げることができなかった。(黄鎬澤『思考のリーダー10人』2004)

◆閣議は、「政府の権限に属する重要な政策を審議」(憲法88条)する席だ。議長は大統領が、副議長は首相が務め、政府組職法上、中央省庁の閣僚たちが委員になる。また、憲法82条は、「大統領の国法上の行為は文書で行い、同文書には首相と関係閣僚が副書する」と規定している。閣議はそれだけ厳重な席だ。大統領秘書室長は閣僚ではない。法的責任のない文字どおり「秘書の長」として閣議に陪席するだけだ。

◆文在寅(ムン・ジェイン)大統領秘書室長が一昨日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が主宰した閣議で、「事案が生じれば(問題になった公務員を)地方に左遷させるが…地方の人の自尊心を傷つける問題だ」とし、各省庁の地方転出制度を批判した。JU事件に大統領府司直秘書官を「巻き込む」ために不法捜査を行った検察捜査チームの地方転出措置に対する発言だった。間違った発言ではないが、柳時敏(ユ・シミン)保健福祉部長官に続き大統領まで「(担当検事を)不敬罪として扱わない」とした後に出た発言なので、「検察軍紀粛正」のシグナルではないかという反応が出ている。文室長が大統領秘書室長としての本分を忘れないことを望む。

金昌赫(キム・チャンヒョク)論説委員 chang@donga.com