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[社説]孫鶴圭氏、「長官、当選3回議員、道知事14年」の甘い汁を吐く

[社説]孫鶴圭氏、「長官、当選3回議員、道知事14年」の甘い汁を吐く

Posted March. 20, 2007 07:15,   

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孫鶴圭(ソン・ハクギュ)氏が昨日、野党ハンナラ党からの離党を宣言したことで、これまでの不明瞭な行動にピリオドを打った。孫氏は記者会見で、「古い守旧と無能な左派の桎梏を壊し、新しい大韓民国に向けた新たな道を創造するために、ハンナラ党を去る」と述べた。また、ハンナラ党が変化のための苦痛を拒否し、統合と共生の道に背を向けていると主張し、「ハンナラ党のために殉教するよりも、国民のために殉教することを選ぶ」とも語った。

離党の名分が必要だろうが、彼が歩んできた道や平素の言行に照らして、簡単には納得できない「自己への不正」だ。孫氏は92年、ハンナラ党の前身である民自党に入党して政界に足を踏み入れて以来、民自党、新韓国党、ハンナラ党の服を着て、第14、15、16代国会議員、保健福祉部長官、京畿道知事を経験した。約14年にわたる保守政党の政治家としての経歴が華々しい。ところが今になって、党の大統領選候補に選出される可能性が薄くなるや、党を否定し、口実をつくって党を蹴って出ていくことが、果たして政治の道義に適うことであり、政治家として責任ある行動なのか、問わざるをえない。

孫氏は、これまで党内選挙への参加と承服をめぐり世間の疑惑が起こる度に、「私が歩んできた道を見てほしい」「私がハンナラ党の門番だ」という言葉で一蹴してきた。最後までハンナラ党とともにあるという約束だった。政治家としての信念と信頼を重視する彼ゆえに、国民も当然そう信じた。昨年6月に「100日民心大長征」を行った時、多くの人が拍手を送ったのも、彼への信頼のためだった。しかし孫氏は、自ら自分の言葉を覆し、国民の信頼を裏切った。

孫氏は、東亜(トンア)日報が先月10日、「孫鶴圭氏は変身するか」という社説を載せた時、「歪曲」「偏向」「マスコミの品格と公正性に疑問」という表現まで使って本紙を非難した。ここに至って、孫氏はどのような言い訳をするのか。あの時はそうするしかなかったとでも言うのだろうか。

孫氏の離党は、大韓民国の政治発展のためにも不幸なことだ。同氏は「21世紀の朱蒙(ジュモン)」云々し、「新しい文明の時代を先導できる新たな政治秩序を創造する」と言ったが、自分を正当化するための言葉に聞こえる。まるで、李仁済(イ・インジェ)氏が「世代交代論」を掲げて党内選挙に不服を唱え、独自出馬した10年前に、韓国の政治レベルを引き戻したような感じだ。

孫氏は、「これまで党を革新するために全力を尽くした」と言ったが、実際に彼が身を投じ、党の体質を変えようと努力したと感じる党員も代議員もほとんどいない。孫氏は、議員のコネづくりと党内選挙のルールへの不満を吐露し、「守旧」を主張したが説得力がない。自分の低い支持率を党の構造的問題であるかのようにごまかし、妥協の可能性も現実性もない「選挙人団100万人」に固執したこと自体が旧態ではないのか、振り返ることだ。