2・13合意は小さなスタートであるが、方向は正しいと思っている。この5年間、米ブッシュ政権は具体的に実行したこともなければ、方向設定も誤っていた。対北朝鮮核交渉には3つのオプションがある。第一、ブッシュ政権は軍事的な攻撃も可能であり、北朝鮮の政権交替も政策的に選択できるというふうに振る舞ったが、これは偽のオプション(fake option)に過ぎなかった。
第二に、経済制裁に効果があるという期待も現実性に乏しい。中国と韓国が平壌(ピョンヤン)政権の崩壊が国益に符合しないと判断しているのなら、効果はないと思わなければならない。5年間、ブッシュ政権の言葉は強かったが、政策の探求には失敗した。
第三は交渉だ。米国が米朝関係の改善を望む北朝鮮の要求を受け入れたことには、国内の政治、選挙での敗北、イラクの混乱、イラクの核など、数多くの要素が複合的に働いたはずだ。ともかく、北朝鮮の政権の属性を考慮すれば、ブッシュ政権は難しい決断を下したわけだ。
しかし、2・13合意の具体的な内容を見てみると、不能化(disablement)という概念もあいまいで、すでに生産した55キロ前後の兵器級プルトニウムはどうするつもりなのか、ウランの核開発のためにパキスタンから導入したと言われている遠心分離機の行方などについての言及がない。また、核物質の北朝鮮の域外への持ち出しを防がなければならないのだが、これをどうやって保証するかなど、随所に不確実な要素が散在している。
韓米同盟について長期的には楽観しているが、短期的には憂慮(concerned)、中期的にはやや憂慮(a little concerned)している。
韓米同盟の未来は、中国の将来と密接につながっている。中国の責任のある成長または地域の盟主化の、いかなる場合であっても米国は東アジアに強力な同盟が必要だ。このような構造が北朝鮮の変数と若い世代の反米感情にも関わらず、韓米同盟がしっかり保たれることを予感させる。
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