人類最初の学問は何なのかについては意見が食い違うが、学問の胎動期であるギリシャ時代には、幾何学と修辞学を重要に考えていた。プラトンは「神は幾何学者だ」「話す技術(修辞学)は魂の魔術」と言って、幾何学科修辞学を礼賛した。このような伝統は中世時代まで続き、12世紀頃に初めて登場した大学では3学(修辞学、文法学、論理学)・4科(幾何学、算術、天文学、音楽)を教えた。そのような意味でこの3学と4科は今日の文科と理科の始まりと言っても過言ではない。
◆わずか200年前では、学問世界で領域を別に区分することはなかった。多芸多才な理想的な「ルネサンス・マン」のレオナルド・ダ・ヴィンチは画家、科学者、数学者、そして哲学者だった。レオナルド・ダ・ヴィンチは遠近法を完成しており、人体の解剖学的な構造を明らかにしており、数多くの機械の設計図を残した。フランスで運河工事をする途中に死を迎えたので、今日の基準では土木学者でもある。ドイツの大文豪のゲーテは著書『イタリア紀行』で自分が優れた地質学者であることを示している。
◆昨日、ソウル大学で哲学、数学、英文学、生物学など各分野のスター教授21人が参加した中、「未来の学問と大学のための汎大学コロキウム」が開かれた。学問の間、単科大学の間の高い壁を崩して知識を大統合することで未来社会に備えようという主旨だ。コロキウム(colloquium)とはシンポジウム(symposium)より重くないセミナーを意味する。コロキウムとは言葉自体が「一緒に話す」というラテン語から出ただけに本人が属した学問の垣根、専攻のわなから脱し、様々な見方で世の中を眺めようとする意志が読み取れる。
◆知識の大統合を梨花(イファ)女子大学の崔在天(チェ・ジェチョン)教授は「統攝(トンソプ)」と呼ぶ。統攝は21世紀のメガトレンドだ。米ハーバード大学の碩座教授である生物学者のエドワード・ウィルソンは著書『コンシリエンス(consilience=統攝)』で心理学などの社会科学は、今後生物学に吸収されると断言する。多くの詩人と作家らが取り上げた「愛」という感情も脳の働きですべて解決することができる世の中だ。学問のブルーオーシャンを探そうとする大長征の未来が楽しみだ。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com